モハ51形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/19 01:35 UTC 版)
モハ51形は、本系列の基幹形式で、1936年から1938年にかけて57両が製造された片運転台式の三等制御電動車である。半流線型の車体に車体後位に取り付けのパンタグラフといった外観は各年次共通であるが、戦前の鉄道車両の製造技術が質量ともに向上していた時期に製造されたことから、登場年次ごとに形態が異なっていた。1936年登場の車両は従来型のヘッドライトに布張り屋根、軽合金製の客用ドアを採用したが、1937年前期(昭和11年度予算で製造)登場の車両は砲弾型ヘッドライトに鋼板屋根を採用したほか、屋根上のランボードが2列になった。これを受けて登場した1937年後期(昭和12年度予算で製造)登場の車両は張り上げ屋根を採用、当時流行の流線型を意識したデザインとなった。1938年登場の車両は1937年後期製造車と同じ車体に、半埋め込み式のヘッドライトを採用、より一層スマートなデザインとなったが、日中戦争の拡大に伴い軽合金が軍需に転用されたことから、客用ドアは木製となった。 中央線に投入された車両は、番号が奇数・偶数にかかわらず全車高尾向きの先頭車として使用するために奇数(上り)向きとされたほか、当時の東京の省電には貫通幌がなかったため連結面が開き戸となっているなど、歯車比以外にも京阪神緩行線向けに投入された車両とは異なった部分が見受けられる。 モハ51項目概要(新製・当初改造時)区分摘要備考・項目51001-51010 東京仕様 半室運転台 51011-51026 東京仕様 全室運転台 51027-51057 大阪仕様 全室運転台 51062, 51066-51069 モハ41改造 40系と下記 51073 モハ42改造 42系 51075, 51078, 51080,51083 - 51087 モハ40改造 40系と下記 51200-208(偶数) クモハ43改造 42系と下記 注)原則当該番号の新製または当初改造の項目。低屋根化改造はこちら 製造の状況は、次のとおりである。 1935年度(東京仕様)日本車輌製造(6両) : 51001 - 51006 川崎車輛(4両): 51007 - 51010 1936年度(東京仕様)新潟鐵工所(3両) : 51011 - 51013 日本車輌製造(3両) : 51014 - 51016 汽車製造支店(5両) : 51017 - 51021 日本車輌製造支店(5両) : 51022 - 51026 1936年度(大阪仕様)日本車輌製造(4両) : 51027 - 51030 田中車輛(6両) : 51031 - 51036 川崎車輛(7両) : 51037 - 51043 1937年度(大阪仕様)日本車輌製造(9両) : 51044 - 51052 川崎車輛(3両) : 51053 - 51055 1938年度(大阪仕様)川崎車輛(2両) : 51056・51057 なお本形式はその後、他形式への改造、および他形式からの改造による編入も多岐にわたっている。後者により本形式(クモハ51形含む)となった車両の記述の所在は右の表を参照されたい。
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