ミドハト憲法と第一議会とは? わかりやすく解説

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ミドハト憲法と第一議会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 01:30 UTC 版)

タンジマート」の記事における「ミドハト憲法と第一議会」の解説

詳細は「オスマン帝国憲法」を参照 1869年フアト・パシャ1871年アーリ・パシャあいついで没すると、改革流れはふたたび滞るようになった。しかし、上述のようなシャリーアヨーロッパ近代法均衡させるための努力継続し1868年法律案起草をおもな任務とする機関として、フランスコンセイユ・デタ(Conseil d'Étatフランス国務院)を手本にダヌシュタイ(英語版)(Danıştay)が設立された。1870年着手され1876年完成した『メジェッレ(英語版)』(民法典)はその結実であり、近代法一部としてのシャリーア成文化端緒となった。その編纂には司法相アフメト・ジェヴデト・パシャ(英語版)らがたずさわった。 しかし、相次ぐ戦争遂行と「上からの改革」はヨーロッパ列強からの多額借款を必要とし、さらに貿易拡大によってオスマン経済そのもの西欧諸国への原材料供給源としてのそれに変質したため、農業モノカルチャー化が進行してオスマン帝国半植民地化を促した。この結果ヨーロッパ経済動向農産品収穫量影響強く受けるようになり、1875年西欧金融恐慌農産物不作影響受けたオスマン帝国外債利子支払い不能宣言して事実上破産きたした。 こうしてタンジマート財政経済の面では抜本的な改革をおこなうことができず、むしろ挫折終わったことが露呈した1861年よりスルタン位置にあったアブデュルアズィズ浪費専制対し、「新オスマン人英語版)」と呼ばれる若い知識人中心に専制運動起こり1870年頃からは、都市部では保守的な神学生までアブデュルアズィズ退位求めデモ参加するほどであったアブデュルアズィズは、1876年5月30日改革派支持背景にしたクーデター結果憲政樹立をめざすミドハト・パシャらによって廃位された。かわって甥で開明派のムラト5世即位したが、廃位ののち幽閉され同年9月死去したアブデュルアズィズ6月自殺し8月31日新しスルタンとしてアブデュルハミト2世即位したアブデュルアズィズによって左遷させられていたミドハト・パシャは「新オスマン人運動のリーダーみなされムラト5世即位同時に国家評議会議長返り咲きアブデュルハミト2世即位後は新帝勅令基づいて設立され制憲委員会委員長就任したミドハト・パシャは反専制運動の指導者ナムク・ケマル(英語版)らとともに憲法草案作成取りかかり、12月17日には大宰相任じられた。しかし、スルタンとなったアブデュルハミト2世責任内閣制など自身帝権制限加えるような条項については反対し、その一方でスルタン国家の安全を脅かすと判断され人物追放処分にする権利をもつという内容条文挿し入れることを主張した。これについては、ナムク・ケマルの反対があったにもかかわらず憲法発布をいそぐミドハト・パシャはこれに妥協アブデュルハミト2世修正組み入れ1876年12月23日、全119からなる帝国初の憲法オスマン帝国憲法通称, ミドハト憲法)を公布したミドハト・パシャは、第一次立憲制最初大宰相となった憲法オスマン帝国西欧型の法治国家であることを宣言し帝国議会設置ムスリムと非ムスリムオスマン臣民としての完全な平等を定めた。この憲法は、1875年フランス共和国憲法1831年ベルギー憲法倣い、さらに、イギリスの憲法参照して制定され自由主義的な立憲君主制憲法であり、他のアジア諸国さきがけて国会開設定めるなど画期的な内容をもつものであった。翌1877年3月19日には議会招集された。しかし、議会政府高官汚職特権的金融業者スルタンとの癒着などを糾弾しはじめると、アブデュルハミト2世1878年2月14日憲法停止して議会閉鎖命じ以後30年におよぶ史上名だたる専制政治開始した

※この「ミドハト憲法と第一議会」の解説は、「タンジマート」の解説の一部です。
「ミドハト憲法と第一議会」を含む「タンジマート」の記事については、「タンジマート」の概要を参照ください。

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