ミドラーシュにおけるサラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/11 04:28 UTC 版)
『創世記』11章29節にハラン(アブラハムの兄弟、ロトの父)の娘としてミルカと「イスカ(יִסְכָּה)」という人物が出てくるが、文脈などからこのイスカとサラを同一人物と見なす解釈がある。それは「イスカ」という名前の由来が、女預言者として霊力を用いてものを見た(סכתה:サフター)、あるいは彼女の美しさによってすべてが覆われた(סוכה:スカー)とする説を根拠としている。 『ベレシート・ラッバー』には、晩年のサラについてのいくつかの記述がある。彼女は100歳を過ぎてもなお二十代の美貌を保っていたというものや、彼女の犯した罪はバト・シェバ(ソロモン王の母)と同様に清められていたといったものがあり、ラシ(ラビ・シェロモー・ベン・イツハキー)でさえも、その注釈において同箇所を引用している。 サラの性質を象徴する言葉として豊穣、創造、寛容があげられている。旧約聖書では三人の客人に給仕するアブラハムを手助けするサラの姿が描かれているが、ミドラーシュでは彼女の生産性の証として、イサク誕生の祝宴の際、来賓客の子供たちにまで授乳していたという逸話が語られている。彼女の存命中、一族の天幕は開放的で富に溢れており、天には恵みの雨をもたらす雨雲が差し掛かり、常に貯水池を満たしていたとされている。また、安息日から次の安息日まで炎が耐えることのない蝋燭が天幕の中を照らしていた。
※この「ミドラーシュにおけるサラ」の解説は、「サラ」の解説の一部です。
「ミドラーシュにおけるサラ」を含む「サラ」の記事については、「サラ」の概要を参照ください。
- ミドラーシュにおけるサラのページへのリンク