ケーララ学派とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ケーララ学派の意味・解説 

ケーララ学派

(マーダヴァ学派 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 21:11 UTC 版)

ケーララ学派(ケーララがくは[1]英語:Kerala school of astronomy and mathematics)は、インドケララ地方で活動した数学天文学の学派。サンガマグラーマのマーダヴァが始祖とされ、主に14世紀から17世紀にかけて活動した。マーダヴァ学派とも呼ばれる。

概要

ケーララ学派は、アリヤバータバースカラ2世など古典期の学者たちの詳細な注釈を行いつつ、中世以降のインド数学に貢献した。解析学浮動小数点数微分積分学の研究を行い、これには平均値の定理、限界点の積分、曲線の下の領域とその不定積分または積分、収束判定、非線型方程式を解くための反復法、および無限級数ベキ級数テイラー級数、三角級数が含まれる。天文学の研究にはπの近似値や精密な三角表が必要であり、逆正接関数のベキ級数展開、πのベキ級数とπに対する有利近似、正弦と余弦関数のベキ級数展開、正弦と余弦関数に対する近似などの発見をもたらした。

ケーララ学派の主な学者

  • マーダヴァ(1340 - 1425): 中世でもっとも優れた数理天文学者のひとりとされる。
  • パラメーシュヴァラ (Parameshvara(1380 - 1460): バースカラ1世やアールヤバタの注釈を行った。
  • ニーラカンタ (Nilakantha Somayaji(1444 -1544): 『アールヤバティーヤ』の注釈として『アールヤバティーヤ注解』( Aryabhatiya Bhasya )を書いた。また、『タントラサングラハ』 (Tantrasamgrahaを書き、マーダヴァの業績をもとに拡張した。
  • ジャヤスタデーヴァ (Jyeṣṭhadeva(1500 -1610): ケーララ学派の発展と定理の多くを『ユクティバーサ』 (Yuktibhasaに統合し、世界初の微分学の教科書となった。
  • シャンカラ・ヴァリヤー (Sankara Variar (1500 - 1560頃): バースカラ2世の『リーラーヴァティ』 (Lilāvatiの注釈書として『クリヤークラマカリー』 (Kriyakramakariを書いた。
  • シャンカラ・ヴァルマン (Sankara_Varman(1774 - 1839): ケーララ学派の最後の優れた数学者とも言われ、ケーララ学派の業績を『サドラトナマーラー』 (Sadratnamalaにまとめた。

出典・脚注

脚注

  1. ^ 『科学史研究, 2008』日本科学史学会、2008年12月、220頁。NDLJP:11684014 
  2. ^ 原典に『インド天文学・数学集』「科学の名著 第一期1巻」朝日出版社 1980年

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ケーララ学派」の関連用語

ケーララ学派のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ケーララ学派のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのケーララ学派 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS