ブリテン島の科学主義、唯名論の系譜とは? わかりやすく解説

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ブリテン島の科学主義、唯名論の系譜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:57 UTC 版)

中世ヨーロッパにおける教会と国家」の記事における「ブリテン島の科学主義、唯名論の系譜」の解説

12世紀から13世紀にかけてスコラ哲学完成向かい、それはトマス・アクィナスによって一応なされたのであるが、そのトマス同時代イングランドでは、オックスフォード大学中心として、すでにスコラ哲学解体へと向かう運動始められつつあった。14世紀入ってからの後期スコラ学時代には、パリ大学ではアヴェロエス主義的な傾向強まったのに対しオックスフォード大学では、すでにアリストテレス基づいた論理概念は必ずしも尊重されず、より正確な論理的方法概念探究されるようになり、経験主義的な傾向強まった[要出典]。 ブリテン島における経験主義先駆としてはオックスフォードロジャー・ベーコン挙げられる。彼はトマス・アクィナスアリストテレス批判し、それに依拠しないで自ら実験して数学的な知識基づいて研究した錬金術行い拡大鏡発明したベーコンによればトマス・アクィナスのような神学は、経験的でないから学問値しないものであったその後オックスフォード登場したドゥンス・スコトゥストマス・アクィナス批判したが、ベーコンのような経験的でないからということではなく十分に先験的はないために批判した。スコトゥスによれば学問とは厳密な論理的な演繹によって得られる知識である。したがって、神の問題論理的な積み上げによって得られる知識ではないから、神学学問中心的分野になることはおかしいと批判したフランチェスコ派の修道士オッカムのウィリアムオックスフォード科学主義運動の頂点にあたる。ウィリアムドゥンス・スコトゥス考え発展させ、普遍的なもの(抽象)は名辞によってしか知られず、事物本質それぞれの個体具体)に存するという考え唱えた(「唯名論」)。この考え拡張すると、普遍者は人間の心にだけ存在するのであり、外界実在しないとされるトマスのような世界神の摂理設計されているという主知主義否定され人間意志強調され善悪はあらかじめ定められてもいないとする。これはカルヴァンの、その欲するところに従う暴君のような神近い考えである。オッカムのウィリアム異端みなされ裁判かかえられたが、皇帝ドイツ宮廷亡命し、『教皇権に関する八つ提題』を著し教権論を展開したウィリアム世俗国家基礎宗教から独立させようとして国家以前自然状態論じ公共の福祉共通善実現のための契約によって国家成立したのだと論じ、これは社会契約説の最も早い提示であった。また「万民にかかわることは万民によって約束されなければならない」と万民による立法主張した教会教皇が本来は万民開かれているべき神の啓示独占しているが、神の啓示はすべて聖書中に記されているため、聖書読める者なら誰でも、神の啓示参加できる主張してルター先取りしたものであった

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