ハートビート_(坂本龍一のアルバム)とは? わかりやすく解説

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ハートビート (坂本龍一のアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/19 15:00 UTC 版)

『ハートビート』
坂本龍一スタジオ・アルバム
リリース
ジャンル
時間
レーベル ヴァージン・ジャパン
プロデュース 坂本龍一
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 6位(オリコン[1]
  • 坂本龍一 アルバム 年表
    ビューティ
    1989年
    ハートビート
    1991年
    ハートビート〜リミクシーズ
    1992年
    『ハート・ビート』収録のシングル
    1. 「サヨナラ」
      リリース: 1991年10月21日
    テンプレートを表示

    ハートビート』(英語: Heartbeat)は、日本作曲家である坂本龍一の9枚目のオリジナル・アルバム。

    1991年10月21日ヴァージン・ジャパンからリリースされ、プロデューサーは坂本が担当した。

    本作は、ハウス・ミュージックリズムと手法が取り入れられているが、「皆がハウスを聴くのは、1小節に4分音符で4つ打たれるバスドラムのビートを、心臓の鼓動(=ハート・ビート)の様な安定したリズムと捉えた一種の胎内回帰願望である」というコンセプトがある。

    ディスクジャケット

    ディスクジャケットは、オレンジを基調とした坂本の顔がアップされたポートレートとなっており、CDの初回特典として、特製折り紙ブックレット仕様になっていたが、糊付けされて完全に開く事が出来ないため、ブックレットとしては見辛いものとなっている[注釈 1]

    批評

    専門評論家によるレビュー
    レビュー・スコア
    出典 評価
    CDジャーナル 否定的[2]

    『CDジャーナル』は、音楽性に関して「どんな人とセッションしようとも、絶対それとわかってしまう坂本フレーズが、このソロ作ではとても少ない」としたうえで「有名陣多数参加もインパクトはなく、ハウスの匿名性威力に八つ当たりする次第」と否定的な評価を下している[2]

    収録曲

    国内盤

    CD
    # タイトル 作詞 作曲 時間
    1. ハートビート(Heartbeat) ジェフリー・コーヘン
    2. ラップ・ザ・ワールド(Rap The World) DJディミトリーロシア語版
    3. トゥリストゥ(Triste)
    • マルコ・プリンス
    • FFF
    • 坂本龍一
    坂本龍一
    4. ルル(Lulu)   坂本龍一
    5. ハイ・タイド(High Tide) 鈴木慶一 坂本龍一
    6. ソング・ラインズ(Song Lines)   坂本龍一
    7. ヌアージュ(Nuages) アラブ民謡 アラブ民謡
    8. サヨナラ(Sayonara) 鈴木慶一 坂本龍一
    9. ボロム・ガル(Borom Gal) ユッスー・ンドゥール
    • 坂本龍一
    • ユッスー・ンドゥール
    10. エピローグ(Epilogue)   坂本龍一
    11. タイナイカイキ(Tainai Kaiki)
    • アート・リンゼイ
    • 坂本龍一
    坂本龍一
    合計時間:

    海外盤

    LPレコード

    A面
    # タイトル 作詞 作曲 時間
    1. ハートビート(Heartbeat) ジェフリー・コーヘン
    • 坂本龍一
    • 富家哲
    2. ラップ・ザ・ワールド(Rap The World) DJディミトリー
    • 坂本龍一
    • DJトーワ・トーワ
    3. トゥリストゥ(Triste)
    • マルコ・プリンス
    • FFF
    • 坂本龍一
    坂本龍一
    4. ルル(Lulu)   坂本龍一
    5. ハイ・タイド(High Tide) アート・リンゼイ 坂本龍一
    合計時間:
    B面
    # タイトル 作詞 作曲 時間
    1. ソング・ラインズ(Song Lines)   坂本龍一
    2. ヌアージュ(Nuages) アラブ民謡 アラブ民謡
    3. サヨナラ(Sayonara) ジェフリー・コーヘン 坂本龍一
    4. ボロム・ガル(Borom Gal) ユッスー・ンドゥール
    • 坂本龍一
    • ユッスー・ンドゥール
    5. エピローグ(Epilogue)   坂本龍一
    6. タイナイカイキ II英語版(Heartbeat (Tainai Kaiki II) - (Returning To The Womb))
    坂本龍一
    合計時間:

    CD

    CD
    # タイトル 作詞 作曲 時間
    1. ハートビート(Heartbeat) ジェフリー・コーヘン
    • 坂本龍一
    • 富家哲
    2. ラップ・ザ・ワールド(Rap The World) DJディミトリー
    • 坂本龍一
    • DJトーワ・トーワ
    3. トゥリストゥ(Triste)
    • マルコ・プリンス
    • FFF
    • 坂本龍一
    坂本龍一
    4. ルル(Lulu)   坂本龍一
    5. ハイ・タイド(High Tide) アート・リンゼイ 坂本龍一
    6. ソング・ラインズ(Song Lines)   坂本龍一
    7. ヌアージュ(Nuages) アラブ民謡 アラブ民謡
    8. サヨナラ(Sayonara) ジェフリー・コーヘン 坂本龍一
    9. ボロム・ガル(Borom Gal) ユッスー・ンドゥール
    • 坂本龍一
    • ユッスー・ンドゥール
    10. エピローグ(Epilogue)   坂本龍一
    11. タイナイカイキ II(Heartbeat (Tainai Kaiki II) - (Returning To The Womb))
    • アート・リンゼイ
    • 坂本龍一
    • デヴィッド・シルヴィアン
    坂本龍一
    12. クラウド #9(Cloud #9)
    • 坂本龍一
    • デヴィッド・シルヴィアン
    坂本龍一
    合計時間:

    楽曲解説

    国内盤

    1. ハートビート
    2. ラップ・ザ・ワールド
    3. トゥリストゥ
      • 三菱地所CMイメージ・ソングとして使用された。
      • テーマは湾岸戦争で、戦死した息子の骨を拾いに旅に出た父親に対し「爆弾の熱で溶けてしまっているので無駄だよ」と呼びかける内容である。ピアノを適当に弾いたあと、いいところだけ取ってミックスした即興の曲[3]。坂本がフランス語のラップを入れてみたいと考えていたところ、レコーディング初日に偶々隣のスタジオにいた、ビル・ラズウェルがプロデュースしていたFFFのマルコ・プリンスがフランス語でラップができるということでその場で録った。
    4. ルル
    5. ハイ・タイド
      • 朝の5時に浮かんだメロディを元に作った曲。バート・バカラックのアレンジとコード進行に似ていたため、仮タイトルは「バカラック」だった。歌詞は坂本から「海の見える風景」として依頼された鈴木慶一が「湘南」「東京湾」のイメージとして制作した。
      • 海外盤やリミックス・アルバム『ハートビート〜リミクシーズ』(1992年)には英語バージョンが収録されており、こちらはアート・リンゼイが作詞し、地中海グライダーで飛行しているイメージの内容となっている。
    6. ソング・ラインズ
    7. ヌアージュ
      • ボーカルアルジェリア出身でパリ在住の教師であるフーリア・アイシで、ニューヨークに来てもらってレコーディングした。フーリアが、幼少期に祖母に歌ってもらった伝統的なアラブの歌で、内容は帰らない弟を思って呼びかける楽曲となっている。
    8. サヨナラ
      • アルバムと同時発売されたシングル。あえて坂本自身を邦楽アーティストとしてイメージさせるために制作され、作詞は若いアーティストを採用するつもりだったが、結局残った高橋幸宏高野寛、鈴木慶一の中で一番青い印象のある鈴木の歌詞が使われた。
      • タイトルは、最も外国人に知られている日本語が「さよなら」だろうと考え、作曲前につけられた[4]
    9. ボロム・ガル
    10. エピローグ
    11. タイナイカイキ
      • すべて即興で演奏されており、その上にピグミーやケージの声をかぶせている。ヴォーカルはアート・リンゼイ。

    海外盤

    1. タイナイカイキ II英語版
      • 「タイナイカイキ」の英語バージョンで、作詞をデヴィッド・シルヴィアンが担当している。
      • 国内では、ミニ・アルバム『体内回帰 (Tainai kaiki II)』(1992年)に収録された[5]
    2. クラウド #9

    参加ミュージシャン

    国内盤

    ハートビート

    • Vocal Arrangement : Dee Lee

    ラップ・ザ・ワールド

    トゥリストゥ

    • Vocal Arrangement : Marco Prince
    • French Rap : Marco Prince and FFF
    • Scratch : Jungle DJ Towa Towa
    • Trumpet : Steve Bernstein
    • Additional Percussion : Satoshi Tomiie for Def Mix Productions and Jungle DJ Towa Towa

    ルル

    • Alto Sax : John Lurie
    • Trumpet : Steve Bernstein
    • Huh : Axel Niehaus
    • Additional Percussion : Satoshi Tomiie for Def Mix Productions and Jungle DJ Towa Towa

    ハイ・タイド

    • Vocal Arrangement : Arto Lindsay
    • Lead Vocal : Ryuichi Sakamoto and Arto Lindsay
    • Background Vocal : Debra Barsha
    • Additional Percussion : Satoshi Tomiie for Def Mix Productions and Jungle DJ Towa Towa

    ソング・ラインズ

    ヌアージュ

    • Lead Vocal : Houria Aichi

    サヨナラ

    • Vocal : Ryuichi Sakamoto
    • Background Vocal : Dee Lee Brave
    • Additional Percussion : Satoshi Tomiie for Def Mix Productions and Jungle DJ Towa Towa

    ボロム・ガル

    エピローグ

    タイナイカイキ

    • Talking : John Cage from Mureau
    • Lead Vocal : Arto Lindsay

    リリース履歴

    No. 日付 国名 レーベル 規格 規格品番 備考
    1 1991年10月21日 日本 ヴァージン・ジャパン CD VJCP-30093
    2 1992年6月29日 ヴァージン・レコード LPレコード VUSLP 46
    CT VUSMC 46
    CD CDVUS 46
    3 1992年7月28日 アメリカ合衆国 V2-86291
    CT V4-86291

    脚注

    注釈

    1. ^ 裏には『無理に広げないで下さい』と注釈が記載されている。

    出典

    1. ^ ハートビート | 坂本龍一”. ORICON STYLE. 株式会社oricon ME. 2025年1月19日閲覧。
    2. ^ a b 坂本龍一 / ハートビート [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年1月19日閲覧。
    3. ^ 2002年に発売されたベスト・アルバムUS』のライナーノーツより。
    4. ^ 月刊カドカワ』1992年1月号、角川書店
    5. ^ 坂本龍一、デヴィッド・シルヴィアン / タイナイカイキ2 [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年1月19日閲覧。
    6. ^ バージン・トラックス・ベスト・オブ・坂本龍一 | 坂本龍一”. ORICON STYLE. 株式会社oricon ME. 2025年1月19日閲覧。

    外部リンク


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