ニューエイジの周辺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:44 UTC 版)
宗教学者の島薗進は、次の運動をニューエイジの周辺として挙げている。これらの参加者個々人は、周辺ではなく中心に近い人も含まれており、ニューエイジとその周辺の境界も明確ではない。 ヒューマン・ポテンシャル運動(人間性回復運動) トランスパーソナル心理学 ニューサイエンス、ニューエイジサイエンス:デカルト的二元論をゆるがし、精神的・霊的なものを自然に見出そうという学問的な流れ。ニューフィジックス(新物理学)のデヴィッド・ボーム、散逸構造論のイリヤ・プリゴジン、ガイア仮説のジェームズ・ラブロック、フリッチョフ・カプラなど。 ネオ・ペイガニズム フェミニスト霊性運動(Thealogy):伝統的な宗教や文明の男性中心性に対する批判と改革への志向を、自己変容や霊的な目覚めに関連させる運動。リーアン・アイスラー(英語版)の『聖杯と剣』がこの潮流の理論的基礎として影響が大きい。ニューエイジにおける社会志向派。 ディープエコロジー:エコロジーの中で霊性を重視する潮流で、ニューエイジにおける社会志向派。生態系中心主義に立ち、自然保護と自己実現を重ね合わせる。アメリカ緑の党でも有力な考えで、アース・ファースト!(英語版)やグリーンピース (NGO) にも強い影響がある。 ホリスティック医療運動:心身の全体的な癒やしを目指し、神秘的な癒やしも活用される。死を受け入れる心構えを重視するため、ホスピス運動とも基盤を同じくする。手かざしを行う世界救世教はニューエイジとは区別されるが、この運動と連携している。 マクロビオティック 運動を構成する観念や実践はニューエイジに近いが、特定の人物の思想や著作を求道の指針とする、新宗教に近い性格を持つ団体・運動。宗教団体より組織性が弱くネットワーク的である。マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの超越瞑想 ヘレナ・P・ブラヴァツキーの神智学、神智学協会 ルドルフ・シュタイナーの人智学、人智学協会 ジッドゥ・クリシュナムルティのクリシュナムルティ財団 バグワン・シュリ・ラジニーシのラジニーシ運動 ゲオルギイ・グルジエフのグルジエフ財団 仏教的瞑想・共同体:禅やチベット仏教、タイ仏教の瞑想センター、ベトナム人僧侶ティク・ナット・ハンをめぐる運動など。 レイキ 気功・合気道:日本以上に霊性開発の面が強調されている。 UFO宗教、UEOカルト:UFOの到来で進んだ異星人の霊性がもたらされると信じる団体。 この周辺には、さらにメディアと結びついたオカルト大衆文化や呪術=宗教的大衆文化があり、ニューエイジやその周辺が掲げる理念や実践を取り込んだ商品が大量に販売され、消費されている。また島薗は、明確な中心と組織性のある宗教団体にも、世界観をニューエイジやその周辺と共有しているものが多くあるが、ニューエイジの周辺のさらに周辺に位置するとしている。
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