ダルマ・スートラ
(ダルマ・シュートラ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:33 UTC 版)
ダルマ・スートラ(dharma suutra)は、ヴェーダ文献における律法経のことであり[1]、紀元前6世紀から紀元前2世紀にかけて叙述、記録された、ヴェーダの祭式学《カルパ・スートラ》に附属した法文献の総称[2]。特定のヴェーダ学派の教義と結びつく性格を有する[1][注釈 1]。
注釈
- ^ バラモン教に由来する3つの学派には、ヴェーダーンタ、サーンキヤ、ヨーガがある[3]。
- ^ 「カルパ・スートラ」は、シュラウタ・スートラ(天啓経)、グリヒヤ・スートラ(家庭経)、シュルバ・スートラ(祭壇経)、ダルマ・スートラ(律法経)の4部門に分かれる[2]。
- ^ ダルマの原義は「支えを保つ」である[6]。これを、人間を人間たらしめるものと解釈すれば「真実」、宗教者にとっては「教え」「教法」となり、社会的脈絡のなかでは「倫理」「道徳」となる[6]。倫理・道徳がさらに共同体のなかで強制力をともなう行為パターンとして固定するならば「義務」「法律」という意味になる[6]。
- ^ 四住期の法も他のヴァルナの規則と同様、『マヌ法典』において最終的な確立をみる[7]。
- ^ 天啓聖典(シュルティ)であるヴェーダに対し、ダルマ・シャーストラは聖伝聖典(スムリティ)に包摂される[6]。ダルマの内容と権威はすべてヴェーダにもとづくが、ヴェーダそのものは天の声、神の啓示と考えられているのに対し、ダルマ・シャーストラはあくまでも賢者聖人によるものと考えられている[6]。
出典
- ^ a b c 藤井(2007)pp.2-3
- ^ a b c d e 『ダルマ・スートラ』 - コトバンク
- ^ M.エリアーデ(2000)p.69
- ^ a b c d 『南アジアを知る事典』(1992)
- ^ a b c 『ダルマ・シャーストラ』 - コトバンク
- ^ a b c d e 奈良(1991)pp.147-150
- ^ a b 山崎(2004)pp.55-57
- ^ 山崎・辛島(2004)pp.96-97
- 1 ダルマ・スートラとは
- 2 ダルマ・スートラの概要
- 3 成立の過程
- 4 ダルマ・シャーストラとの関係
ダルマ・スートラと同じ種類の言葉
- ダルマ・スートラのページへのリンク