ダム技術の革新とは? わかりやすく解説

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ダム技術の革新

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:45 UTC 版)

ダム」の記事における「ダム技術の革新」の解説

ダムの建設技術についても、20世紀入り様々な手法開発導入されるようになった20世紀前半コンクリート高価であり、工費圧縮のためコンクリート使用抑制する工法開発された。代表的なものとしてはバットレスダムがあるが、この型式では地震洪水に弱いという難点があり、盛んに建設されることは無かったこうした問題解決したのが中空重力式コンクリートダムであり、重力式コンクリートダム内部空洞設けダム基礎地盤との接地面広く設けることで少なコンクリート重力式同程度安定性を保つ型式である。これはマルチェロによって理論纏められ彼の母国イタリアで盛んに建設されたが日本でも導入され単体ダムでは世界で最も高い畑薙第一ダム大井川125メートル)をはじめ多くの大ダム建設された。ただし空洞形成するための型枠人件費高騰し、現在では施工例を見ることは極めて少ない。 コンクリート打設する技術については、従来区画毎に分けてコンクリート打ち増す「ブロック工法」が主流であったが、大型機械導入組み合わせ試行錯誤によってスムーズなコンクリート打設を図る技術進んだ1967年完成したクラスノヤルスクダムエニセイ川)ではコンクリート製プラントからダム現場までをベルトコンベアで結び、休みなく連続して打設できる手法導入したこうした手法世界各地ダム工事採用され工期短縮工費縮減貢献したさらなる合理化を図るために開発されたのがRCDコンクリートRoller Compacted Dam Concrete)によるRCD工法であった。これは超硬練りコンクリートベルトコンベアダンプカー運搬しブルドーザー敷きならした後にロードローラー水平に薄く何層も締め固めるという工法である。コンクリートの量を少なく抑える他、ブロック工法のように継ぎ目設けないので亀裂クラック)を起こさず安定性経済性従来工法よりも優れることが確認された。この工法世界で初め本格的に手掛けられたのは日本で、1972年昭和47年)より山口県において建設省施工し島地川ダム島地川)が初例である。この後RCD工法大規模なダム建設採用され中小規模ダムにおいてはRCD工法中小規模用に改良した拡張レヤ工法取り入れられた。ロックフィルダムについても大型機械導入によって原材料掘削運搬締め固め工法技術向上したことで大規模な体積有するダム多数建設された。 そして近年では、よりコンクリートの量を減らして工費縮減工期短縮を図る型式改良進み1999年平成11年)には日本台形CSGダムという新型式が開発された。これはセメント土砂最適な含有量混ぜ合わせることでコンクリートに近い強度骨材作り台形仕上げることで強度補強するのである従来骨材選別するのに良質のものを選ばなければならなかったが、この型式だと品質に関係なく骨材使用できるので工費削減工期短縮貢献できるとされている。2002年平成14年)より沖縄県の億首ダム億首川)で本格的な施工開始されたが、洪水の処理や地震への耐久性課題として残されている。

※この「ダム技術の革新」の解説は、「ダム」の解説の一部です。
「ダム技術の革新」を含む「ダム」の記事については、「ダム」の概要を参照ください。

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