ダム整備による流量調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 13:32 UTC 版)
「塩田川 (佐賀県)」の記事における「ダム整備による流量調節」の解説
塩田川は従前より水害をたびたび引き起こしていたが、中でも1962年(昭和37年)7月の梅雨前線による水害及び1976年(昭和51年)9月の台風17号による水害は流域に甚大な被害をもたらし、抜本的な治水対策が望まれた。 その一つがダムの建設事業である。治水計画上、上流ダム群として3つのダムが計画され、支流の岩屋川内川では1967年(昭和42年)度より岩屋川内ダムの建設に着手、1974年(昭和49年)度に竣工した。これに続き支流の吉田川において、1987年(昭和62年)度より2つ目となる横竹ダムの建設に着手し、2001年(平成13年)度に竣工した。現在はこの2ダムによって下流平野部において毎秒300立方メートルの洪水削減を実現しているが、洪水対策のみにとどまらず流域で頻発していた水不足に対する必要流量の確保という役割をも担っている。 塩田川最上流部には、治水対策及び上水確保の多目的ダムとして不動ダムの計画も存在し、3つ目の上流ダム群として当初計画通り建設を求める声もある。現在は2ダムで30年に一度の水害(1日の総雨量270mm想定)に耐え得る状態だが、治水安全計画では50年に一度の水害(総雨量350mm想定)へ引き上げる将来計画であり、河川改修断面や堤防の強度設計もこれを前提としている。しかし、社会情勢の影響もあり佐賀県による事業化の見込みは現時点で立っていない。 これらの上流ダム群とは別に、下流でも支流の治水対策としてダムが建設されている。白石町の河口付近を流れる深浦川では、洪水調節のため1977年(昭和52年)度より深浦ダムの建設に着手し、1989年(平成元年)度に竣工した。同時にダムから塩田川までの河川トンネルを白岩山に開通させ、深浦川とは別に洪水を直接塩田川へ排出する対策が取られた。
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