ダム案と非ダム案のリスク&ベネフィット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/13 09:52 UTC 版)
「ダムの代替案」の記事における「ダム案と非ダム案のリスク&ベネフィット」の解説
以上8案の内、田中康夫長野県知事(当時)が「脱ダム宣言」の中でダムの代替として提案していた「堤防嵩上げ」や「川底掘削」が予想よりも地元住民の犠牲や自然環境の破壊を強いることが判明した。また、足羽川は福井市内を流れる事から、都市を流れる河川では堤防を整備することに伴う橋梁架け替えの実施を避けられない。だがこれは長期に亘る交通渋滞やそれに起因する交通事故の増加、騒音や大気汚染等の2次的被害を招く可能性があり、都市河川の整備は安易にできないことが想定される。このケースは他地域では該当しない可能性もあるが、留意すべき事象でもある。このように事業者が複数の代替案について細部にわたりリスク&ベネフィットを流域関係者に具申するケースは近年増加している。今後のダム建設においては、感情論や根拠のない利権介在論などは排し、客観的に複数の案を事業者だけではなく、地元自治体や反対派も提出して相互に評価・議論することが求められている。 尚、2004年(平成16年)7月の福井豪雨で福井市を始め足羽川流域は甚大な被害を受けたが、新足羽川ダム+堤防整備を実施していた場合、豪雨による浸水被害自体が起こらなかったという分析がなされた。また、同じ九頭竜川水系で真名川ダムが建設されている大野市を始めとした真名川流域は、足羽川流域と同じ雨量を計測していたにも拘らず浸水被害は皆無に等しかった。同じ福井県内でありながらダムの有無で被害状況が大きく変わることが証明された事から、足羽川ダムは福井市等流域自治体・住民の強い要望を受け治水専用ダムとして部子川に2006年(平成18年)建設を再開している。
※この「ダム案と非ダム案のリスク&ベネフィット」の解説は、「ダムの代替案」の解説の一部です。
「ダム案と非ダム案のリスク&ベネフィット」を含む「ダムの代替案」の記事については、「ダムの代替案」の概要を参照ください。
- ダム案と非ダム案のリスク&ベネフィットのページへのリンク