ジャーナリストから伝記作家へとは? わかりやすく解説

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ジャーナリストから伝記作家へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/15 03:11 UTC 版)

ジャン・ラクチュール」の記事における「ジャーナリストから伝記作家へ」の解説

ラクチュールはソ連フルシチョフから米国キッシンジャーカンボジアシハヌークから米国ロバート・ケネディエジプトナセルまで多く著名な政治家取材し記事だけでなく著書発表したシアヌークとの対談北京からみたインドシナ』、伝記ナセル』など)。一方で左派ジャーナリストとして主に社会主義国フランスの植民地急速に変化する戦後の情勢不透明な情勢取材した彼は、ときに判断を誤ることもあった。特にアルジェリア民族解放戦線内部対立過小評価したこと、文化大革命クメール・ルージュ間違った期待抱いたことであり、カンボジア情勢については誤り認めて1978年に『カンボジア人民よ、生き延びよ!』を著し、さらに、ジャーナリストとしての活動振り返ってインクの血』を発表した著書参照)。 ラクチュールはエジプトモロッコインドシナベトナム情勢現役政治家に関す著書伝記)を発表した後、1970年代中頃から時事問題から離れ、『アンドレ・マルロー』(1973年現代の政治歴史に関する著書与えられる今日賞受賞)、『レオン・ブルム』、『フランソワ・モーリアック』、『ピエール・マンデス=フランス』、代表作の『ド・ゴール』などの伝記発表し始めた著書参照)。ジャーナリストから伝記作家への転身であり、むしろ詳細な注釈付した歴史学的な記述試みている。これは、たとえば、『アンドレ・マルロー』の謝辞にジャック・ジュイヤール(フランス語版)、ミシェル・ヴィノックピエール・ノラらの名前が挙がっていることからも明らかであるが、これは主にアナール学派影響で、ジャーナリズムアカデミズム境界がしばしば曖昧になったことが背景にある。たとえば、歴史学者のアニー・クリージェル(フランス語版)やピエール・ショーニュ(フランス語版)は『フィガロ』紙、フランソワ・フュレ、ドニ・リシェ(フランス語版)、ジャック・ジュイヤール(フランス語版)は『ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』紙に歴史・政治に関する記事寄稿し、ジャン・ボトレル(フランス語版)、フランツ=オリヴィエ・ジズベール(フランス語版)、カトリーヌ・ネイ(フランス語版)らのジャーナリスト歴史書、主に20世紀政治家伝記を書くようになったこうした動向についてラクチュールは、「ジャーナリストにわか仕込み知識歴史学者役割を担うのはもう珍しいことではないが、フランソワ・フュレやジャック・ジュイヤールのような正真正銘歴史学者これほど熱心かつ継続的にジャーナリズム関わるのはかつてないことだ」と書いている。 彼はジャック・ル・ゴフピエール・ノラ中心とするアナール学派第三世代による史学史研究新し歴史学フランス語版)」(流派雑誌)に参加しミシェル・ヴォヴェル、クシシトフ・ポミアン(フランス語版)、アンドレ・ビュルギエール(フランス語版)、フィリップ・アリエス、ギィ・ボワ(フランス語版)、ジャン=クロード・シュミット(フランス語版)らの歴史学者と共に活動しジャーナリズムから離れる同時にアカデミズムからも距離を置きながら、伝記作家という立場確立していった。 さらに、こうした活動一環として、スイユ社の現代史時事問題叢書「リストワール・イメディアット(L’Histoire immédiate、直近の歴史差し迫った問題)」を1961年創刊一般書としても専門書としても好評を博すことになったまた、ミシェル・ヴィノックスーフィズムイスラム神秘主義専門哲学者ミシェル・ショドキーウィチ(Michel Chodkiewicz)が1978年創刊し、同じスイユ社の子会社刊行する歴史雑誌『リストワール(フランス語版)(歴史)』誌の編集委員務め社会党議員のアラン・ルーセ(フランス語版)が1990年ペサック国際歴史映画祭フランス語版)を創設した際には、ヴィノックとともにこれに参加した

※この「ジャーナリストから伝記作家へ」の解説は、「ジャン・ラクチュール」の解説の一部です。
「ジャーナリストから伝記作家へ」を含む「ジャン・ラクチュール」の記事については、「ジャン・ラクチュール」の概要を参照ください。

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