ショタゲーの歴史
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「ショタ」という名を明確に冠して発表した先駆は折原うさぎの運営するウェブサイト「兎所他流のお家へ」であるといわれる。これは同人ソフトやフリーソフトといった形態ではあったが、ニフティサーブのCGフォーラムで活動していた折原うさぎ(仮名:ハンドルネーム)の1993年に立ち上げたサイトで、同人ゲーム・CGなどを発表していた(現在閉鎖中だが検索によって各ページにいける)。折原のサイトで制作されていたゲームはショタジャンルオンリーである事を明確にしており、これらのショタゲーは当初はウェブサイトによる通信販売によって行われていたが、その後、ソフトアイランド(現在:DLサイトコム)への委託販売へと移行した。 市販ソフトがショタを扱ったゲームであると自ら明言した作品は1998年8月6日にISFより発売された「プレジャーサーキット(オリジナル版)」である。 SingingCanaryの「少年達の病棟(オリジナル版)」は後に声優によるボイスを収録しシナリオを一新したバージョンが改めてリリースされたが、オリジナル版は2000年5月5日のショタジャンルオンリーの同人誌即売会、'00.5.5.少年系!!で開発中であることが発表され、ショタというジャンルに感心を持つ者たちの関心を強く引き付けた。これは翌2001年6月15日に発売されたが、発売にいたるまでの期間が長くかかったことや、それまでにSingingCanaryをとりまいた様々なトラブルから一時はファンの記憶から消えかかるようなこともあった。 これに先んじること2000年8月10日にプラチナれーべるから「好きなものは好きだからしょうがない!!」シリーズが発売されている。本作はショタゲーを名乗っているわけではなく、また、特にショタをテーマとして扱った作品でもないが、ヒロインに相当する藤守 直は幼少時に性的虐待を受けているという設定であり、2001年5月25日に発売された2作目「-TARGET†NIGHTS-」ではスチルも存在した。 2001年5月5日、今度はショタジャンルオンリーの同人誌即売会、ショタケットにおいて花梨エンターテイメントが「bois 〜機械仕掛けの街〜」を発表。これはもともと同人ソフトとして開発されたものであったが、市販ソフトの流通に転換。この際に公開されたポスターでは主人公達が小学生であることが明記されていた。 以上はいずれもボーイズラブゲームの枠に含まれるもので、どちらかと言えば女性向けとされる。一方、男性向けでは2001年10月26日にコンプリーツが「ボクのヒミツたいけん」を発売。以後シリーズ化をしていくこととなる。本作は「ショタ主人公の総受け」というコンセプトで構成され、この構図は概ね男性向けソフトの雛型となった。 また、苺みるくは2002年7月26日発売の「たんぽぽ 〜Everything Nice〜」に先んじて登場キャラクターの人気投票を募集した。本作もショタゲーではなくロリゲーであったが、ヒロインキャラクターよりも主人公を含む少年キャラに人気が殺到し、シナリオの苦魔鬼轟丸は急遽、誰とも結ばれないルートの結末としてライバルの少年カーツとのボーイズラブ的な展開を挿入するに到った。なお、この発売後に改めてキャラクターの人気投票を募集した結果、またしても上位3人が少年キャラとなった。 こうした一種の社会現象とも受け取れる状況を経て、ショタゲーという呼称はともかく、ゲームの中にショタという要素を盛り込むという考えは、特に男性向けソフトにおいて急速に広まり、前述の「たんぽぽ」のように本来ショタゲーでは無くとも隠しキャラや隠しイベントとしてショタとの絡みや、それを思わせる展開を盛り込むものが増えていくこととなった。「ひみつたいけん」シリーズを開発販売したコンプリーツは、このシリーズとは別に2005年7月8日、「野外学習」を発売している。これもショタをメインとした構成では無いが、シナリオや画風などの側面で「ひみつたいけん」シリーズの流れを汲んでおり、主人公の少年はここでも「受け身」という性格的位置付けがなされている。本作も同様にシリーズ化され、2006年8月31日には「もうすぐ夏休み!」がリリースされた。 なお、いわゆる腐男子ユーザーの中にはショタゲーにはまるきっかけとなったソフトに「コ・コ・ロ…」をあげる者も多い。これは1998年12月4日にアアルから販売されたアダルトゲームシリーズであるが、「少年達の病棟」の発表よりもさらに1年半ほど早い。近親姦全般をテーマとしたゲームであり、あくまでもその一環としてショタ要素を含んでいるに留まりはするが、ショタゲーやボーイズラブゲームという概念の乏しい黎明以前の時期にあって、その衝撃的な内容はユーザーや倫理機構を揺るがす問題作となり、その結果、製品回収や倫理機構脱退にまで到った。
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