アアルとは? わかりやすく解説

アアル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/09 13:38 UTC 版)

マアトの「真実の羽根」と「第一の死」後の死者の心臓を天秤に掛けている図。パピルスに書かれた死者の書の一部。

アアル: Aaru、Yaaru、 IaruまたはAalu)とは、古代エジプト神話における楽園のこと。

概要

古代エジプト神話における天国で「アアルの野」や「エジプトの原野」とも言われる。ヘリオポリス九柱神の一柱であるオシリスが支配する世界である。

古代エジプト人の死生観においては、魂は死後に死者の審判を抜け、地下の冥界ドゥアトを通り、楽園アアルで再生できると信じられた。

信仰

アアルは、太陽が昇る東に在り、永遠のナイル川三角州の土地の様な原で狩猟ができを捕り永久に暮らせる理想の霊界の土地とされる。正確に言えばアアルは、が連なりトウシンソウが繁る野であり、オシリスが住む恵みの野として知られ、エジプトでは「Sekhet Hetepet(平和の野原)」と言われる[1]。死者は審査や関門を経て、ここに入ることが出来ると信じられた。

死者の書には、アアルに至るまでの危険回避や対処の指南も書かれた。

死者の審判においてマアトの「真実の羽根」を天秤の一方の皿、他方の皿に死者の心臓を置いて天秤に掛け、心臓が軽く釣り合いがとれれば長く危険な旅を経て永遠の楽園であるアアルに至ることが出来る。古代エジプト人は、人の知性は心臓に宿り、生前の悪事は心臓に染み出て残ると考えた。悪事を犯して心臓が重く羽根と釣り合いがとれない場合、心臓はアメミットに貪り喰らわれる「第二の死」の裁きを受け、霊はアアルに至る事は出来ない。

天秤の審査を経た霊は、アアルに着くまでの長い旅の途中に多くの危険に遭遇する。アアルに着くと一連の関門を通らなければならず、神への供物の数量に従い15~20箇所など幾つかの関門を通過する。此所を刀を持った悪霊に護られながら通るとされる。

脚注

  1. ^ Richard Deurer. “Sekhet-Hetepet, The Fields of Peace.” (英語). Egyptart. 2009年10月21日閲覧。

関連項目

外部リンク


「アアル」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アアル」の関連用語

アアルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アアルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアアル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS