サニタリーショーツの洗濯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/27 08:32 UTC 版)
「サニタリーショーツ」の記事における「サニタリーショーツの洗濯」の解説
サニタリーショーツは日用品なので、繊細なデザインのものを除いて神経質に取り扱う必要はないが、少しの配慮により、清潔感と機能性を長持ちさせることができる。通常のショーツとの違いとして、サニタリーショーツでは、伸縮性の高い身生地や透湿性のある防水布においてポリウレタン繊維がよく使用される。この素材は、光(特に紫外線)と熱、塩素などで劣化する点に注意する。また、伸縮性の大きく異なる素材を重ねて縫い合わせてあるので、ほつれや型崩れにも注意する。 下洗い 血液などの汚れが付着している場合、特に乾燥した汚れをそのまま40度以上のお湯で洗濯すると、しみになりやすいので、簡単に下洗いする。まず、30度前後のぬるま湯に普段使いの石鹸(アルカリ性のもの)を泡立つまで溶かして石鹸液をつくり、そこに30分~2時間ほどつけ置く。その後、石鹸で汚れをもみ出すようにして落とす。その際、縫い目や縫い代に汚れを押し込まないように注意する。ブラシは、伸縮性や防水性を損ねる恐れがあるので避ける。また、長時間のつけ置きも雑菌増殖を招きやすいので避ける。防水布の部分は、石鹸液だけで十分きれいにできるので、石鹸をこすりつけないようにする。石鹸が防水布に残留して防水性や透湿性を劣化させる恐れがある。石鹸液の代わりに、酵素系弱アルカリ性洗剤やアルカリ剤 (セスキ炭酸ソーダなど) を利用してもよい。酵素系弱アルカリ性洗剤を用いる場合、生成り、淡色、オーガニック素材のものでは、蛍光増白剤を配合していないものにする。また、アルカリ剤を用いる場合は、つけ置く時間をやや長め(2 - 4時間)にする。 本洗い 下洗いにより目立つ汚れが取れたら、軽くゆすいで、洗濯機の弱水流で洗濯する。他の下着類と同様に、レース・刺繍・フリル・リボンつきなどの繊細なものは、ネットを使用するか手洗いする。すすぎは入念に行うのが望ましい。 柔軟剤 柔軟(仕上げ)剤は、生地の風合いやすべりを改善し、「すれ」や静電気の発生を軽減する効果がある一方、ショーツの吸湿性・防水性・透湿性などに悪影響を及ぼすこともありうる。家庭で使われる柔軟剤は、カチオン界面活性剤(陽イオン)系と非イオン性シリコーン系などに大別されるが、化学薬品に敏感な女性には、後者の方がより適している。肌がデリケートになる期間に肌に直接触れるショーツに柔軟剤を利用する場合には、かぶれなどの原因となる。 脱水時 脱水機で20秒ほど脱水する。ナイト用では、防水布と後ろ見頃との間に水が残らないように、脱水前に手やタオルなどで軽く押し絞りする。ねじり絞りは、防水性を損ねたり、ほつれ・型崩れの原因となるので、絶対に避ける。日本の洗濯タグでは、「短時間の脱水機使用」が適する場合にも、ねじり絞りの絵に「ヨワク」という文字を入れたマークを使用することになっている。 しみ抜き 下洗いないし本洗い後に、しみの部分に対し色物用の液体酸素系漂白剤のポイント用のものを直接塗布し、白い泡が出るのが収まってから、酵素系弱アルカリ性洗剤で再度本洗いする。塩素系漂白剤は避ける。色物では、目立たない箇所で色落ちの確認も行う。 干し方 脱水後速やかに干す。場所は、室内ないし風通しのよい日陰にする。乾燥機は、室内干しのにおいとり、屋外干しの花粉・ほこり落とし、生乾き時の仕上げ乾燥、除菌などのため使用できる。70度・30分程度を目安に、乾燥温度と湿り具合により適宜調整する。アイロンは用いない。低温乾燥機能を持たないタンブラー乾燥機を使用する場合は、乾燥温度が100度程度になってしまうので、生地・防水布の劣化を抑えるため、目の細かい球形の洗濯ネットに入れて、「弱」で20分以内にする。この際、同時に乾燥させる洗濯物を少なくする。日光や加熱を完全に避けて室内干しを繰り返すことは、衛生面で推奨されない。 製品ごとの制約 付属の説明書や洗濯タグの規定を守る。たとえば、「冷え」を防止する効果の高いサニタリーショーツでは、保温性の高いテビロンと呼ばれる塩ビポリマー系の機能繊維が使用されることがある。この素材は、熱に非常に弱く、60度前後で、硬化・収縮してしまう。したがって、テビロンを用いたサニタリーショーツの場合、乾燥機は、たとえ低温乾燥機能をもつものであっても、使用することができない。また、身生地にシルクを含むものは、酵素系弱アルカリ性洗剤、特にタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を含むものを避け、揉み洗いをせず、ゆっくりとつまみ洗いを行い、乾燥機は使用せずに陰干しにする。
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