コチニール【cochineal】
カルミン酸
分子式: | C22H20O13 |
その他の名称: | カルミン酸、C.I.75470、Carminic acid、C.I.Natural Red 4、7-β-D-Glucopyranosyl-9,10-dihydro-3,5,6,8-tetrahydroxy-1-methyl-9,10-dioxo-2-anthracenecarboxylic acid、カルミニン酸、E-120、Natural Red 4、ナチュラルレッド4、Carmine、コヒニール、コキニール、Cochineal、C.I.ナチュラルレッド4、カーミン、カルミン、コチニール |
体系名: | 7-β-D-グルコピラノシル-9,10-ジヒドロ-3,5,6,8-テトラヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-2-アントラセンカルボン酸 |
コチニール色素
(コチニール から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/10 06:03 UTC 版)
コチニール色素(コチニールしきそ、英: cochineal extract)または、カルミンレッドK、カルミンレッドMK-40、カルミンレッドKL-80、(あるいは単にカルミン[1])、クリムゾンレーキ、ナチュラルレッド4[2]、C.I. 75470[2]、E120は、赤色系やピンク色系の色素であり、染料、食品用の天然着色料(食品添加物)、化粧品の着色料などとして使用されている。カルミン酸のアルミニウム塩として得られる。カメムシ目カイガラムシ上科の一部の昆虫、特にアジア産のラックカイガラムシ、南ヨーロッパのケルメスカイガラムシ、メキシコのコチニールカイガラムシなどのメスの体を乾燥させ、体内に蓄積されている色素化合物を水またはエタノールで抽出して色素としたもの。その本質はアントラキノン誘導体のカルミン酸であることから、カルミン酸色素とも呼ばれる。カルミンの語源は欧州のケルメスカイガラムシ(タマカイガラムシ)から古代から中世に伝統的に抽出して用いられてきた色素に由来する。
- ^ 日本の化粧品のパッケージの成分表示では単に、カルミン、と表示されている。
- ^ a b Dapson, Rw; Frank, M; Penney, Dp; Kiernan, Ja (2009). “Revised procedures for the certification of carmine (C.I. 75470, Natural red 4) as a biological stain”. Biotechnic & Histochemistry 82 (1): 13–15. doi:10.1080/10520290701207364. ISSN 1052-0295.
- ^ 「魅惑の赤色口紅」が原因でアナフィラキシーに 日経メディカル 2022/5/11, (要登録)
- ^ 原田晋, 山川有子, 杉本直樹, 穐 浩「O55-5 コチニール色素を原因物質と考えた,フランス製赤色マカロン摂取後に生じたアナフィラキシーの2症例(食物アレルギー アナフィラキシー1,口演,第62回日本アレルギー学会秋季学術大会)」『アレルギー』第61巻第9-10号、日本アレルギー学会、2012年、1538頁、doi:10.15036/arerugi.61.1538_1。
- ^ a b 穐山浩, 杉本直樹「コチニール色素・カルミン摂取による食物アレルギー」『ファルマシア』第50巻第6号、日本薬学会、2014年、522-527頁、doi:10.14894/faruawpsj.50.6_522。
- 1 コチニール色素とは
- 2 コチニール色素の概要
- 3 参考文献
コチニール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:52 UTC 版)
詳細は「コチニールカイガラムシ」を参照 「コチニール色素」も参照 コチニールはカイガラムシやエンジムシの色素を染料として用いたものである。媒染剤にアルミナ、クロム、鉄等を用いることにより鮮紅色から紫味を帯びた赤まで幅広い色相に染色することが出来る。アントラキノンの節で既出の赤色有機顔料・コチニールレーキはコチニール染料をレーキ化したものである。コチニール染めによる赤を臙脂色(えんじいろ)と呼ぶ。Colour Index Generic NameはNatural Red 4である。
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コチニール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 02:05 UTC 版)
北米大陸、メキシコの古代アステカ文明のあったあたりでは、コチニールカイガラムシと呼ばれる、ウチワサボテンに寄生する虫から色素を抽出して、赤紫色に染色することが伝統的に行われている。コチニールカイガラムシはエンジムシとも呼ばれており、この虫のメスを乾燥して抽出した色素はコチニール色素と呼ばれる(虫の生態についてはカイガラムシを参照のこと)。 コチニール色素の実態はカルミン酸であり、この物質の水溶液は、酸性下で黄〜橙、中性で紅赤色、弱塩基性で赤紫、強塩基性で紫に変色する。そのためpH指示薬として利用できる。この色素は、化粧品や食品、医薬品の着色料として利用されている。カンパリの色素でもある。赤色顔料として絵具などにも使われている。 ただ、カイガラムシによる染色はアメリカ大陸のみで行われていたわけではなく、カイガラムシの別種 "en:Kermes vermilio" による紅色の染色が地中海一帯やアナトリアにて古くから行われており、ヨーロッパやイスラム世界に広まっていた。このカイガラムシは樫の木の一種ケルメス・オーク (Kermes oak) に寄生する虫であり、この虫から採取された色素の色は Kermes にちなんでクリムゾンやカーミン(カーマイン、カルミン)と呼ばれ(これに相当する日本語の色名としてえんじ色がある)、色素の物質名(カルミン酸)にもなった。西洋世界では紫色よりもむしろ紅色系の染色として使用されてきた。今日では、アカネ色素の研究により発明された合成染料アリザリンや、Kermes vermilio よりも効率の良いコチニールの生産方法の存在により、かつてほどには使用されていない。 なお、細胞核や染色体を染色するための薬品として、この色素を利用した酢酸カーミン溶液がある。
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「コチニール」の例文・使い方・用例・文例
- コチニールカイガラムシ
- コチニールカイガラムシ科の標準属
- 雌のコチニールカイガラムシの体を乾燥させたものでできた赤色の染料
- コチニールに似た緋色の染料
- ラックまたはコチニールから調合される紫がかった赤い顔料
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