製法・派生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 04:42 UTC 版)
現代では工業的に通常は乾燥させたラックカイガラムシ、エンジムシ(コチニールカイガラムシ)から温水・熱水などで色素を抽出する。アルミニウム塩として不溶化(レーキ化)させるとコチニールレーキという赤色顔料となり、かつては赤色絵具のクリムソンレーキやカーマインに使われた。しかし近年のクリムゾンやカーマインは合成されたアントラキノンレッドに代替されている(一部メーカーではアリザリンレーキで代替している)。 ルネサンス期、ケルメスカイガラムシから得られたカルミンが毛織物用の高級染料として知られ、フランチェスコ・ディ・マルコ・ダティーニがこれを入手しようとしていた。同時期にレーキ化技術によって絵具に転用された。およそ一世紀を経て中南米がコンキスタドールの征服戦争の手に落ちると、エンジムシが生息し、伝統的にウチワサボテンを宿主として大量に養殖されてきたこの地域を領土として所有していたスペインはコチニールの正体を秘匿して新大陸産のカルミンとしてヨーロッパに売りつけ、巨額の富を築いた。
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