製法・産出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 23:54 UTC 版)
水酸化カリウムと塩酸の中和反応によって作ることが可能である。工業的には鉱産物を精製して得られる。 HCl + KOH ⟶ KCl + H 2 O {\displaystyle {\ce {HCl + KOH -> KCl + H2O}}} 植物はカリウムを栄養素としており燃やして得られた灰から得られる塩(海藻を燃やして得られる藻塩、内陸部で植物を燃やして作られる灰塩)に多くみられる。また、海塩を作る際に出るにがりを構成している成分の一つである。 そして、鉱物として自然産出もし、カリ鉱石として採掘される。鉱物名はカリ岩塩(シルビナイト)。岩塩とともに内陸に閉じ込められた海水や塩湖から析出して鉱床を形成する他、火山の噴気から少量が結晶した状態でも産出する。主要産地は、ベラルーシ、イスラエル、ヨルダン、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、チリ、ブラジルで、旧共産圏が圧倒的な埋蔵量をもつ。日本の産地は千葉。また、海草からも抽出可能。日本は大半を輸入している。 塩化カリウムの具体的な精製方法はいくつかあることが知られている。まず一つは溶解度の差を用いるもので、混合物を水に溶かし、水を蒸発させつつ連続して結晶化させるものである。この方法の欠点は、熱を加えるのに大きなエネルギーが必要で、コストが高くなりがちだということである。もう一つの方法は、いわゆる浮遊選鉱法である。まず混合物に飽和食塩水を加え、次に空気を懸濁液に吹き込み塩化カリウムの結晶を選択的に気泡に付着させ、その塩化カリウムの泡を表面からすくいとるというものである。塩化ナトリウムの結晶は底に沈んだところを回収する。この方法はコストを抑えることができる。他の方法としては、静電的なプロセスも用いられることがある。
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