製法・販売
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 04:32 UTC 版)
その独特のサクサクした食感は、生地を伸ばしてバターを均一にはさんで折りたたみ、それをまた伸ばしては折りたたむことで、生地とバターがそれぞれ多重に薄い層をなし、それを焼き上げることで生み出される。チョコレートやアーモンドを焼き上げる前に練りこむこともあり、チョコレートを包んだクロワッサンはパン・オ・ショコラ (pain au chocolat) と呼ばれる(形状は若干異なり、四角く包んだ形が一般的である)。プロセスチーズやウィンナーソーセージなどを包んで焼き上げられることもある。そのまま食べることが多いが、切り込みを入れてサンドイッチにも使用される。主には朝食あるいは間食用のパンであり、特にフランスでは朝食にはブル(ボウル)と呼ばれる大き目のお椀でカフェオレを飲みながらクロワッサンをそれに浸してふやかしつつ食べるのが一般的である。 日本で販売されているクロワッサンには甘い物が多数見られるが、これはフランスでは伝統的には見られないアレンジである。とはいえ現在ではフランスおよびイタリアやドイツなど近隣諸国でもクリーム入りのものが多く見られる。 フランスで作られるクロワッサンには、菱形のものと三日月形のものがある。どちらの形状にするかは、使用している油脂で習慣的に決まっており、前者はバター、後者はマーガリンである。菱形のものは「クロワッサン・オ・ブール croissant au beurre(バターのクロワッサン)」と呼ばれる。フランスでは伝統的なパン屋でも三日月形と菱形を並べて売っているが、カフェなどで朝食用に置かれているものは菱形が多い。 独特の食感を出すには生地の出来が重要で、うまく作るのにはある程度のコツと手間がかかる。そのため、これを省きながらも家庭で焼きたてのものが食べられるように、冷凍の生地が販売されている。また、ベーカリーやレストラン向けの業務用のものがある。 生地の生成に手間がかかるため、かつては高級パンの代名詞であったが、現代では機械で成形することが可能になり価格が大きく低下、一般家庭でも親しまれるパンとなった。
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