クリトリスとは? わかりやすく解説

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クリトリス

英語:clitoris

「クリトリス」とは、女性器外陰部小陰唇前部)に位置する突起状の器官であり、性交自慰行為において女性の性感帯として主に弄られる部位である。その大部分陰核包皮包まれ隠れている。性的興奮などに応じて肥大勃起)し固くなる摩擦振動などの刺激鋭敏であり、女性身体の中でも最も性的快感感じやすい部位のひとつとされるその大きさ感じやすさには個人差がある。陰唇のように外目にそれとわかるほど顕著な個性生じにくい。

クリトリスは男性陰茎相当する器官であり、陰茎と同様、亀頭陰核亀頭)や海綿体組織からなる平時包皮クリトリス包皮)に包まれている。クリトリス全体陰核包皮覆い被さっていて露出しない状態を「クリトリス包茎」という。

男性陰茎排尿および射精のための器官という側面をもつが、女性のクリトリスにはそうした生理生殖の役割を特に持たない。つまり女性のクリトリスの存在には確たる意味や意義見出しにくい。事実上、クリトリスは純粋な性感帯として機能しているとみなされている。

クリトリスは和名(日本語名)では「陰核」または「陰梃」という。参考画像はない。

英語の clitoris(クリトリス)はラテン語由来する単語であるが、元を辿ると ギリシア語の kleitoris が語源とされる確実視されてこそいないが、そもそもは「封じる」「さやに納める」といった意味の語だったという。

アフリカ圏には「女子割礼」という習わしがある。少女のクリトリスや陰唇切除するという儀式である。女子通過儀礼として紀元前ら行われてきたとされ、現代もなおアフリカの特に赤道付近の国や地域では女子割礼多く行われているとされる

クリトリス【clitoris】

読み方:くりとりす

陰核(いんかく)。

「クリトリス」に似た言葉

陰核

(クリトリス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/31 06:46 UTC 版)

陰核(いんかく、: Clitoris)は、哺乳類における女性)の外性器に備わる小さな突起物の名称である。陰梃(いんてい)とも呼ばれる[注釈 1]。発生学的には男性における陰茎に相当する。男性の生殖器と同様に充血して膨張し、硬さが出てくる(陰核の勃起[1]。先端の陰核亀頭は成人女性で約5-7mmほどの大きさであり、亀頭部に刺激が与えられると性的興奮を感じる。英語のクリトリスは、ギリシア語におけるクレイトリス(κλειτορίς, kleitoris)に由来し、鍵またはネジのような封じるものを意味するクレイス(κλείς)を語源とする。

陰核
この図では、人の字型に広がっている桃色の部分が本来の意味での陰核である。この内の体外に出ている陰核亀頭の部分(画像上部の明るい点の部分)を指して、陰核と呼ぶことが多い。
陰核の外観
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構造

女性器の上部にある器官である。陰核の大部分は体内にあり、男性のペニス同様に海綿体組織である細長い陰核体および陰核亀頭から成る。

大きさ
成人女性では、陰核体の上端から陰核亀頭先端までの長さは通常3 - 5cmほどであるが個人差が大きく、稀な例では幼小児の陰茎ほどにもなる。陰核体から左右の陰唇内部に続くやや大きな海綿体組織(陰核脚)も、陰核の一部と見なしてよく、それは全体で10cm前後もの比較的大きな生殖器官となる。
亀頭部
陰核亀頭は小陰唇が合わさるところにあり、性感を得る陰部神経終末が高密度に分布している性感帯である。亀頭部の色はピンクから暗褐色まで様々であり、性的興奮により変化する。陰核亀頭のサイズは個人差もあるが、成人女性で5 - 7mmくらいである。
陰核亀頭と陰核包皮の間には恥垢が溜まりやすく、不潔にしておくと炎症を起こすことがある。
包皮
男性のペニスの場合と同様に、陰核亀頭が包皮に覆われ完全に露出していない状態を包茎と呼ぶ場合がある。成人女性では通常、亀頭部は包皮や陰唇によって保護されており、性交時などの場合にのみ露出する、いわゆる仮性包茎の状態であることが多い。しかし、一部の女性は陰核の露出が極めて困難な、いわゆる真性包茎の状態である場合がある。性交時に痛みを感じる場合や不衛生になり炎症を起こしやすい場合や、不感症気味の場合などは、包皮切除手術等の治療が必要である[2]

機能

露骨な性器を含んだ画像があります。
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性的興奮中の女性器。陰核が勃起[注釈 2]膣分泌液で湿潤。
露骨な性器を含んだ画像があります。
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陰核包皮に隠れた仮性包茎の陰核

陰核は存在場所とその構造上、胎内での発生過程から性的興奮を高めるためにのみ特化した器官と考えられ、相同器官である男性のペニス(陰茎)が泌尿器および生殖器としての両方の機能があるのと大きく異なっている。陰核には泌尿器としての機能はない。男性のペニスと同様、陰核も心理的あるいは直接的な刺激による、性的興奮により充血し勃起する。

勃起
勃起時には陰核体や陰核亀頭は膨張し固くなる。また、陰唇内部の海綿体や小陰唇も充血・膨張する。
オーガズム
一定の性的刺激が継続すると、やがてオーガズム(性的興奮の最高潮)に達する[3][4]
男性のペニス同様、睡眠時(レム睡眠)に性的興奮とは関係なく勃起することが知られている[5]。心理的な性的刺激によっても勃起する。身体的な性的刺激は、クンニリングスや陰核亀頭を擦ったりする事が挙げられる。
肥大
陰核はペニス同様男性ホルモンの濃度に敏感な組織であり、多嚢胞性卵巣や副腎皮質過形成、薬物投与(アナボリックステロイドを使用した女性ボディービルダーなど)等で肥大する。

各国地域の風習

中世ヨーロッパの迷信

中世、キリスト教社会では女性の性的快楽は禁止された。貞節な女性には陰核がないと信じられていたようである。1593年魔女裁判で、裁判官(男性)は被告(女性)の陰部を詳細に観察し、陰核をついに見いだした。そして裁判官はそれを「悪魔の乳首」と信じ、有罪を宣告した。

アフリカの切除風習

宗教的、民族的な習慣として、陰核の一部または全部を切除する行為が多くの民族に見られる。現在でもいくつかの民族においてこの習慣は残っており、女性への重大な人権侵害であるとして問題視されている。

脚注

注釈

  1. ^ 上品な言い方として、(さね)もある。(おさね、と丁寧に言うこともある)
  2. ^ 心拍数が上がり、女性器周辺の血圧が低くなっている状態。血管に血液が貯まることで赤く色付く。男性器の挿入待ち状態であり、著しく敏感になっている。

出典

関連項目


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