ギリシア芸術の導入と北方の植民市とは? わかりやすく解説

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ギリシア芸術の導入と北方の植民市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 20:17 UTC 版)

ローマ建築」の記事における「ギリシア芸術の導入と北方の植民市」の解説

紀元前4世紀まで、ローマ市地中海文明からは完全に取り残された、どちらかというとあまり目立たない存在だった。ローマ最初建築は、その歴史が示すように、エトルリアからの直接的な影響受けている。初期ローマ神殿例え紀元前509年奉献されたと伝えられるカピトリヌスの丘ユピテル・オプティムス・マキシムス、ユーノー、ミネルウァ神殿は、深い軒を内陣前面有し内陣三連の室から成るため、間口広がった横長のほぼ正方形に近い平面であったこのように低く横に間延びした構成ギリシア建築神殿とは全く形態異なる。三つ内陣は、都市の建設に際して加護求める三の神、ユピテルユーノーミネルウァのためのもので、その加護神殿から見渡すことのできる範囲限られるため、この神殿は市(ウルブス)の最も高い丘の上に、基壇ポディウム)を構築して建設された。ポディウム設けて建築物記念的な効果持たせる試みエトルリアにおいて比較新し発想で、その意識ギリシア建築影響よるもの思われるが、基壇形態そのものギリシアのものではなくエトルリア神殿建築由来している。このほか、紀元前5世紀初期フォルム・ボアリウム建設された、フォルトゥナ、マーテル・マートゥータ神殿も、発掘によってほぼ同じ構成を持つエトルリア式神殿であったことが分かっている。神殿以外の建築物について多くのことはわからないが、パラティヌスの丘に残る紀元前6世紀頃の貯水槽、および同時代市壁 などは、技術的面において、エトルリア建築のものとよく一致している。 しかし、紀元前4世紀になると、ローマ転換期を迎える紀元前338年ラティウム戦争勝利によって、ローマカンパーニアにまで勢力広げ紀元前275年エピロス戦争紀元前247年第一次ポエニ戦争勝利によって、マグナ・グラエキアイタリア半島南部シチリア島)がローマ勢力下に置かれた。紀元前200年頃のこれらの地域は、シュラクサイ(現シラクサ)やアクラガス(現アグリジェント)、ポセイドニア(現パエストゥム)などのギリシア植民都市割拠しており、そこはまさにヘレニズム文化領域であったローマはさらに、ポエニ戦争終結後紀元前200年マケドニア王国緒戦開き第二次マケドニア戦争)、紀元前146年コリントス征服マケドニア王国アテナイ制圧しバルカン半島進出した文化的に高い水準維持していた南イタリアバルカン半島征服略奪は、ローマ多くギリシア芸術もたらし、これに反発する人々いたものの、小スキピオルキウス・アエミリウス・パウルス・マケドニクスクィントゥス・カエキリウス・メテッルス・マケドニクスはじめとするローマ人受け入れられ圧倒的な影響力を及ぼすことになった建築についても、紀元前2世紀末には、ヘルモドーロスのようなギリシア人建築家がユピテル・スタトル神殿設計するなどの活動行っている。ギリシア建築影響神殿建築顕著に現れており、エトルリア時代の木とテラコッタから成る平たい構成神殿ではなくポルトゥヌス神殿のような大理石用いた疑似周柱式構成を持つ神殿出現したオーダーについても、擬似的オーダー一掃されヘラクレス・ウィクトール神殿見られるような正確なギリシアオーダー変貌したこのようなギリシア芸術影響は、ローマ衰退し古代建築規範崩壊する4世紀頃まで、ローマ建築中に受け継がれた。 一方ローマ地中海とは異な方向アルプスに至る北方地域にも領土拡大していた。共和制時代北イタリアには多く植民市建設されたが、これによってローマは、ローマ式の社会構造とそれを収容する施設都市導入する機会を得ることになった。アリミヌム(現リミニ)、プラケンティア(現ピアチェンツァ)、ティキム(現パヴィーア)、ネマウスス(現ニーム)、コムム(現コモ)などの軍事拠点都市にはローマ社会構造地中海文明都市形態導入され格子状街路によって整然と区画され都市のかたちは、現在でもはっきりと認めることができる。

※この「ギリシア芸術の導入と北方の植民市」の解説は、「ローマ建築」の解説の一部です。
「ギリシア芸術の導入と北方の植民市」を含む「ローマ建築」の記事については、「ローマ建築」の概要を参照ください。

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