キハ40形1000番台
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「国鉄キハ40系気動車 (2代)」の記事における「キハ40形1000番台」の解説
烏山線向けに暖地向け2000番台からトイレを撤去するなどの改造を行ったグループで9両が改造された。1001 - 1007は国鉄が1986年11月末から翌1987年3月末の間に、1008と1009は烏山線を継承したJR東日本が1991年と1995年に各1両を改造した。改造時期やその後の改造などにより形態には差異がある。 キハ40 1001 - 1007:1979年4月から5月に宇都宮運転所に新製配置し烏山線で運用していたキハ40形2000番台 (2011 - 2020) のうち水戸運転所へ転出した3両 (2018 - 2020) を除く7両 (2011 - 2017) を改造・改番。改造工事は大宮工場で施行した。トイレの撤去により定員は98名となったが、撤去したトイレ部分の小窓と屋根上の水タンクが存置された。塗色は烏山線独自のローカル色(白(クリーム10号)地に緑色(緑14号)でr字様帯模様の2色塗装)に変更されている。国鉄分割民営化後は全車JR東日本に承継された。 民営化後の1990年3月に、1006を除く6両についてワンマン運転(後乗り前降り)対応改造と座席のロングシート化工事を施行した。定員は144名に増加し、車内案内自動放送装置、外部スピーカー、乗降口案内表示器が設置された。客室は旧トイレ部分の小窓をそのまま固定化して座席および網棚、吊手を延長し、ロングシートの中央部の排気管立ち上がり部分には消火器とくず物入れを設置した。さらに1995年から1996年(平成8年)にかけて冷房装置(サブエンジン式のAU34)を搭載して網棚上4か所にクーリングユニットを装備し、水タンクとその横にあった通風器が撤去された。乗降扉の半自動対応改造(乗降扉横に押しボタン式のドア開閉装置、ドア開閉時チャイム音)も行われた。機関換装は行われていないが、1001・1002・1004・1005の4両は燃料直噴式に改造(DMF15HSA-DI、出力230 PS / 1600 rpm)された。 ワンマン化されなかった1006は、耐寒耐雪改造を受け東北地区に転出した。その後さらに2004年(平成16年)に秋田総合車両センターでリニューアル工事が行われた。烏山線に残留した同番台車とは下記のように仕様が異なるが、新たな番台は与えられていない。 座席配置がセミクロスシートのまま 屋根上水タンク存置 旧トイレ部分 の窓を埋め込み 機関をカミンズ製DMF14HZ (300 PS / 2,000 rpm) へ換装し、機関直結式冷房装置(AU26J-A×2)を搭載 同車は2021年3月の同系列運用終了まで秋田地区で活躍し、7月に小湊鉄道に譲渡された。 キハ40 1008:1991年8月に、高崎運転所のキハ40 2087を改造。他の1000番台と異なり旧トイレ部には他の客室窓と同様のユニット窓が設けられている。また、高崎時代にAU34を搭載して冷房化されており、室内はクーリングユニットではなく天井に冷房用ダクトが設けられている。水タンク横の通風器が残る他、床下機器配置も異なっている。機関は燃料直噴式へ改造(DMF15HSA-DI、出力230 PS / 1600 rpm)された。 キハ40 1009:1995年12月に水郡線営業所のキハ40 2139を改造。水郡線時代にAU34による冷房化とワンマン化改造を受けた為、1008同様に水タンク横の通風器が残っている他、室内も冷房用ダクトが天井に設けられている。ただし旧トイレ部の窓はトイレ時代の小窓のまま固定化されており、ワンマン化時期の関係で外部スピーカーと乗降口案内表示器の位置も他車と異なる。機関は原形のまま。2017年(平成29年)に錦川鉄道へ譲渡された。 キハ40 2011 - 2017・2087・2139 → 1001 - 1009 キハ40 1003 屋根上の水タンクは撤去済み キハ40 1003「一般気動車色」 キハ40 1005「首都圏色」(2017年1月) 烏山線仕様の1000番台の車内。旧トイレ部分は固定式の小窓になっている。
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