カーシエリ対サラザール法廷戦とは? わかりやすく解説

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カーシエリ対サラザール法廷戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 22:38 UTC 版)

ロードアイランド州」の記事における「カーシエリ対サラザール法廷戦」の解説

ナラガンセット族は、1970年代州政府と連邦政府への公式認定要求強め1983年連邦認定受けてインディアン部族として「復活」し、同州唯一アメリカ連邦政府から「インディアン部族である」と認定された。 彼らは1988年に、連邦政府から1800エーカー(7285)の保留地獲得し、続く1991年に、老齢部族員のための住宅団地建てるため保留地とは別にロードアイランド州チャールズタウン土地31エーカー(約0.13 )を購入した1998年アメリカ連邦内務省部族要求従い、この土地連邦信託地とした。しかし、ロードアイランド州がこれを認めなかったため、土地連邦信託求め部族連邦とこれを認めないロードアイランド州政府との争い米国最高裁にまで持ち込まれロードアイランド州知事ドナルド・L・カーシエリと内務省長官ケン・サラザールの名から、「カーシエリ対サラザール法廷戦(Carcieri v. Salazar)」と呼ばれる法廷闘争となったナラガンセット族白人入植者との関係悪化1675年翌年「フィリップ王戦争」激化し数千人が虐殺され壊滅した部族は、1709年ロードアイランド入植政府正式な保護下に置かれた。1880年ロードアイランド州は、部族員を白人住民同化させるため、部族権限放棄迫りナラガンセット族保留地を2エーカー(8094㎡)だけ認め残り土地すべてを5000ドル州政府に売り、「部族解消する」ことに同意させた。こうしてナラガンセット族は「絶滅」した。 部族その後すぐにこの決定不服申し立て始め土地部族権利回復要求運動乗り出した20世紀初期に、貧困にあえぐナラガンセット族アメリカ連邦政府に対して経済面その他の援助求めたが、連邦政府1927年から1937年までの10年わたってのこの部族要請断った裁判ロードアイランド州は、ナラガンセット族連邦から再認定されて「復活」したのは1983年のことであり、1934年連邦政府が「インディアン土地与える」目的で「インディアン再編成法(IRA)」を制定した際には、彼らがナラガンセット族インディアン部族として認めず上記のように無視していたことを指摘、むしろナラガンセット権限裁量権は州にあると主張。この係争の中で、1934年制定の「インディアン再編成法(IRA)」の条項にある、「この法で用いられるインディアンである』という文言は、1934年6月1日現在、連邦の管轄権の下にある((now under Federal jurisdiction)、どのインディアンも、どのインディアン保留地内に住む部族の子孫も、すべて含んで混血の者も含み、(中略組織化されバンド集落をも言及するのである」という文言の中の「現在(now)」が、いつを指すのかが問題となった。この法律の、インディアンを「インディアンである」と認定する「現在」という言葉が「1934年6月1日」のことを指すならば、50年後の1983年連邦認定受けたナラガンセット族連邦の言う「インディアン」に含むのか含まないのかという論争発展したのである。 これに対し米国連邦地方裁判所連邦処置是認し上記文言が、1934年インディアン部族員を「インディアンという存在」に含めるための定義ではあるが、その日付に連邦認定されたかどうかまでを部族要求するものではないと断定ロードアイランド州が法に対し不必要に狭義解釈を採ったと批判した米国控訴裁判所地方裁判所決定対し是認賛成した一方ロードアイランド州は「州政府とインディアン部族間の、潜在的に無制限に存在する土地領有に関する民事刑事上の管轄配分は、これで不安定な状態になった」とコメントした2009年2月24日米国最高裁判所はこの裁定逆転させた。クラレンス・トーマス最高裁判所判事は、6対3多数意見で「インディアン再編成法にある『現在、連邦政府管轄下にある』(now under Federal jurisdiction)という文言は、法令制定時点で、連邦レベルでの司法管轄でいた部族意味する」と主張し、「その結果、この文言書記官権限を、インディアン再編成法が1934年6月制定されたときに、連邦レベルでの司法管轄にあった部族員に土地領有する目的のための、土地信託限定する」と述べた2009年4月1日ワシントンDCインディアン問題監督庁である「連邦政府天然資源委員会」は、この「カーシエリ対サラザール法廷戦」に関する米国最高裁判所による2月24日判決について聴聞会開いた最高裁判所判定において、ナラガンセット族支持して要約書いたミシガン法科大学のコレット・ローテル教授は、「最高裁判所のこの解釈は、インディアン部族を『持てる者と持たざる者』の2つ分けた」とコメントした。 元・インディアン管理局BIA)員のマイケル・アンダーソンは、「インディアン再編成法」はもともとインディアン部族部族会議住宅学校医療センター建設するためのものだ」とし、「カーシエリ知事意向は、土地領有権のないインディアン部族発展じわじわと蝕み、彼らを脅迫するものだ」と述べている。 ナラガンセット族ロードアイランド州政府との一連の係争最高裁判所判定は、ナラガンセット族の「インディアン・カジノ構想制限するどころか全米インディアン部族今後行方決定しかねないものであり、「アメリカという国がインディアンという民族どうするつもりなのか」という国家的問題をもはらんでいる。現在「絶滅した」としてアメリカ合衆国存在しないことになっている多数インディアン部族が、いつまで部族土地取り戻せず、国家から無視され続けるのかもしれないのである2009年11月5日、「連邦政府天然資源委員会」は下院のもと再び公聴会開きBIA追求したBIA副長官ドナルド・レイバーデュアはBIA代表してオバマ政権検討している「インディアン再編成法の改正」と、「内務省長官インディアン領土信託権限強化案」の2つ法案支持する証言した

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