オラービー革命とエジプト出兵とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > オラービー革命とエジプト出兵の意味・解説 

オラービー革命とエジプト出兵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:17 UTC 版)

ウィリアム・グラッドストン」の記事における「オラービー革命とエジプト出兵」の解説

エジプト財政破綻きっかけディズレーリ政権スエズ運河買収した英仏エジプト財政管理するようになり、イギリス人フランス人財政関係閣僚としてエジプト内閣入閣した。彼らはエジプト人から苛酷な取り立て行いエジプト反英世論高まっていった。またエジプト統治するムハンマド・アリー朝先住民アラブ系エジプト人にとってはトルコからの「輸入王朝」であり、人事ではトルコ系優先されていた。これにアラブ系将校は不満を抱いていた。 1881年2月アラブ系将校待遇トルコ系将校同じにすることを求めアフマド・オラービー大佐指揮の下にオラービー革命発生したエジプト副王タウフィーク・パシャ宮殿占拠され、彼はオラービーの推挙したアラブ系将軍陸軍大臣任命することを余儀なくされた。その後オラービーは軍の人事問題だけではなく憲法制定議会開設など政治的要求まで付きつけるようになったエジプト議会置かれ議会予算審議持てば英仏自由に債権回収ができなくなる)。タウフィークはオラービーに屈して1882年2月4日には彼を陸相とする民族主義内閣誕生させるに至った。オラービーはただちにヨーロッパへ債務支払い全面停止して、反ヨーロッパ姿勢示した事態危険視したフランス政府邦人保護のためと称してアレクサンドリア艦隊派遣しようとイギリス呼び掛けてきた。グラッドストン政権もこれを了承して艦隊アレクサンドリア沖に送った。ただしディズレーリ帝国主義政策批判してきたグラッドストンとしてはエジプト制圧する意志はなかった。艦隊派遣してエジプト威圧しつつ、エジプト形式的な宗主国であるトルコ通じてオラービーに干渉しよう考えていた。 しかし6月11日アレクサンドリアで反ヨーロッパ暴動発生し英国領事はじめとするヨーロッパ人50人が死傷する事件発生した。それをきっかけ英国地中海艦隊とオラービー政府の間に小競り合い発生し、オラービー政府13日イギリス宣戦布告した副王タウフィークは「オラービーは反逆者」と宣言しイギリス軍救援求めた。 この事態閣内自由党内(特にホイッグ派と新急進派)、またイギリス世論空気エジプトに対して硬化していき、軍事干渉論が主流となっていった。スエズ運河イギリス生命線であるという現実要請もあって、グラッドストン7月9日には現地イギリス海軍アレクサンドリア要塞への武力行使許可する至った閣内では急進派ランカスター公領担当大臣ジョン・ブライトのみが戦争反対して辞職したグラッドストン国際協調のために他のヨーロッパ諸国連携して武力行使することを希望していたが、イギリスとともにアレクサンドリア沖に艦隊送ったフランス政府議会承認取れなかったために艦隊撤退させた。他のヨーロッパ諸国参戦拒否したため、結局イギリス単独でオラービー追討を行う事になった当初グラッドストンは、制海権獲得によってスエズ運河確保しようと考えていたが、オラービーがスエズ運河攻撃狙っていると知り、サー・ガーネット・ヴォルズリー(英語版将軍指揮官としたイギリス陸軍派遣決定した。同軍は1882年8月19日アレクサンドリア上陸してスエズ運河一帯占領し、ついで9月13日にテル・エル・ケビールの戦い英語版)において2万2000人のオラービー軍を壊滅させ、カイロ無血占領した。オラービーは逮捕され死刑宣告されるタウフィーク恩赦英領セイロン島へ流罪となった。 この戦いによりエジプト英仏共同統治状態からイギリス単独占領下置かれることになった依然としてエジプト形式的にオスマン皇帝忠誠を誓う副王統治にあったが、実質的支配権イギリス総領事クローマー伯爵が握るようになった彼の下にインド勤務経験のある英国人チーム結成されエジプト政府各部署助言役として配置された。エジプト政府全面的に彼らに依存したイギリス人らは副王アッバース2世傀儡にして税制改革からナイル川運航スケジュールまであらゆることを自ら決定するようになった

※この「オラービー革命とエジプト出兵」の解説は、「ウィリアム・グラッドストン」の解説の一部です。
「オラービー革命とエジプト出兵」を含む「ウィリアム・グラッドストン」の記事については、「ウィリアム・グラッドストン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「オラービー革命とエジプト出兵」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オラービー革命とエジプト出兵」の関連用語

オラービー革命とエジプト出兵のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オラービー革命とエジプト出兵のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのウィリアム・グラッドストン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS