エジプト国鉄への新車輸出車両とは? わかりやすく解説

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エジプト国鉄への新車輸出車両

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 09:51 UTC 版)

国鉄10系客車」の記事における「エジプト国鉄への新車輸出車両」の解説

日立製作所は、1960年エジプト国営鉄道車両メーカー・SEMAF社(アラビア語版)と鉄道車両製造に関する技術協力協定締結。その協定により、エジプト国鉄向けの客車エジプト国内にて製造する計画立てられその際日本の国鉄軽量客車技術使用することとなった計画にあたっては、まず最初に「サンプルカー」として日立製作所が1両を輸出し、その車両をもとにSEMAF社が同様の車両大量に増備するという方式採用され1962年秋に日立製作所にて「サンプルカー」1両が落成。以下にこの車両の特徴述べる。 車体長さ23,030 mm、幅2,900 mm、高さ4,318 mm屋根上には日本国鉄10系などと同様、ガーランドベンチレータ通風機が並ぶ。 車内座席配置日本国鉄10系同様の4列(2+2)席が並ぶ形態で、座席砂漠地帯での清掃を容易とするビニール素材貼り。天井には、扇風機10組とガーランドベンチレータ装置通風11設置している。 側窓は一段下降式で、車内側に木製の上昇式ブラインド内蔵している。 一両につき便所は「洋式」のものと「アラブ式」(和式似たしゃがみこみ式)のものをそれぞれ一つずつ、車端部設置便所設置されていない側の車端部には荷物室と車掌室が配置されている。 台車上記タイ国鉄向け客車と同様、TR50の系統ではなくウイングばね式DT21系統のものを採用エジプト国鉄保線状況適応しつつ、同時に良い乗り心地得られる設計となっている。 この計画成功し予定通りこの車両エジプト国鉄標準型客車となった技術提供を受けたSEMAF社は2000年代まで長きにわたりこの客車作り続けたため、途中で数回細かな部分変更が行われた。以下に主なそれを述べる。 車端部形状が少しながら変更され、よりすっきりとした見た目となった側面窓が下段上昇および下段左右開閉上段固定二段仕様変更また、従来一段下降窓として落成した車両なかにも途中より下段上昇上段加工二段窓へ改造され車両がある。しかし、二段窓の窓枠事故火災など緊急時乗客が窓から避難する際の障害物となり、2002年にこの系列客車にて乗客持ち込んだガスボンベ爆発した際には、窓から避難しようとした乗客がうまく車外避難できず、そのうえ車両間で炎が猛烈な勢いで広がり多く車両全焼したことで、結果的に380人以上の乗客死亡するという大きな事故発生している(事故の経過はエル・アッヤート列車火災 (2002年)(英語版)を参照)。 1980年代以降製造された車両は、台車がハンガリー・ガンツが設計した軽量コイルばね台車変更されている。 一部車両都市近郊列車運用するため、車内座席ロングシートへ改座。 これらの車両は、現在もエジプト国鉄普通列車などの主力として活躍しているが、初期導入された、日立製作所設計色濃く残す車両多く老朽化のため引退している。 比較的古い車両台車DT21系統 比較最近製造された車両台車ガンツ設計のものへ変更されている 走行写真

※この「エジプト国鉄への新車輸出車両」の解説は、「国鉄10系客車」の解説の一部です。
「エジプト国鉄への新車輸出車両」を含む「国鉄10系客車」の記事については、「国鉄10系客車」の概要を参照ください。

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