軽量客車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/28 02:41 UTC 版)
「ペンシルバニア鉄道MP85形電車」の記事における「軽量客車」の解説
パイオニアIII軽量客車 (バッドのシリアルナンバーは3880) は1956年に完成しバッド社は旅客用車両市場に革新をもたらす一里塚となりうる製品であるとした。 これはバッド社製のステンレス製飛行艇「パイオニア」、パイオニア・ゼファーに続く名称としてパイオニアIIIと名付けたことからも覗い知れる。中短距離の近郊区間用客車として設計されており、従前の蒸気や機械的なシステムに変え、引き通し線を介した電気的な空調、枕バネがインダイレクトマウントの空気バネで、側枠と簡易な方法で軸箱が固定された高速形台車、 至れり尽くせりの「ラウンジスタイル」に変え航空機用の様な車内、コルゲート構造で強度を増した薄いステンレス製車体が採用され徹底した軽量化に重点がおかれた。その結果車体重量は僅か53,000ポンド (24 t)となり、バッドが以前製作した最軽量車両の約半分程度に抑えられた。座席配置は2+2のクロスシートで着席定員は88名で、車内艤装から一切の木製製品を廃してあった。この驚異的な数字は座席間隔を従来の車両より狭くするなど多分に乗客の快適性を犠牲にして達成されたものであった。 パイオニアIII客車のコンセプトカーはデモストレーションとして北米各地の鉄道を回ったが、鉄道業界の斜陽化による需要低下で関心を持たれることもなかった。
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