イタリア海軍向けダイバーズウォッチとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > イタリア海軍向けダイバーズウォッチの意味・解説 

イタリア海軍向けダイバーズウォッチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 03:42 UTC 版)

オフィチーネ・パネライ」の記事における「イタリア海軍向けダイバーズウォッチ」の解説

1930年代パネライ社は精密機器納入業者であった縁でイタリア海軍より潜水部隊時計の製作依頼受けたパネライ一族経営していた「スイス時計店」(Orologeria Svizzera )が当時代理店だった縁でロレックスから防水ケースノウハウムーブメント供与仰ぎ、特殊潜水部隊のための軍事用ダイバーズウォッチ「ラジオミール」を1936年試作し1938年製品化した。名称の由来1910年自社開発したラジウムを含む夜光塗料“ラジオミール”を使用したことによる。 この“ラジオミール”は、潜水服の上から装着できるようベルト長く視認性を保つためケースはφ47mmもある。また、暗所での視認性第一に考え上述夜光塗料“ラジオミール”の強い発光最大限活かすため、文字盤インデックス夜光塗料塗布するではなく文字盤二重式とし、夜光塗料塗布した下板に、黒地アラビア数字と棒形のインデックス型抜きした上板重ねる、という構造となっていることが特徴である。 第二次大戦中ラジウム含有するラジオミールに代わり新たにトリチウム用いたルミノール”が開発され、それを搭載したモデル納入された。この“ルミノール”の特徴は、大型のリューズガードを装備するようになり、これにリューズ押さえレバー取り付けることによってリューズ密閉度を上げ当初100m防水から大幅に上回る200m防水達成した点である。このリューズガードとレバーは現在も続くパネライデザインの特徴となった。 ラジオミール3646に搭載されている、ロレックス製 cal.618ムーブメント パネライ腕時計特徴である、二重式文字盤 大型リューズガードとリューズ押さえレバー 1943年には海軍将校向けクロノグラフ開発にも着手し、“マーレ ノストゥルム(Mare Nostrum)”の名称で少数試作品完成したが、本格的に量産されることはなかった。なお、パネライ腕時計ムーブメント1940年代アンジェラス製に変更された。 ラジオミールはアレクサンドリア港攻撃敢行したイタリア海軍特殊潜水工作隊(人間魚雷部隊)によって使用され夜間の海中において高い視認性発揮し作戦参加し捕虜となったエミリオ・ビアンキイタリア語版)は戦後「この時計なかったら作戦そのもの遂行不可能だったであろう」と証言している。パネライ製のダイバーズウォッチは、その後イタリア軍の他エジプト軍イスラエル軍などで制式採用された。1956年開発されエジプト軍向けモデルは、φ60mmという大型のケースサイズに、ケース一体化したデザイン回転ベゼルとリューズガードを備えており、“エジツィアーノ(Egiziano)”と呼称され、後に限定モデル一つとして民生向けにも発売された。1960年代にはイスラエル軍潜水部隊要求に応じてケース左側回転ベゼルロックするためのガード付きネジのついたモデル試作され、このモデルは“ドッピオ ポンテ(Doppio ponte:「(眼鏡の)ダブルブリッジ」の意)”と通称されている。 2017年現在パネライイタリア軍向けに開発した最後モデルは、1985年試作品完成したダイバーズモデルで、発注にあたりこれまでのものよりも遥かに高い防水性加え、高度な耐磁性従来のものに対して軽量であることが求められていた。このモデル設計耐圧深度1,000m、ケースチタニウム採用ムーブメントにはETA製のものを使用しケース風防ガラス材質異な複数試作品製作されている。最終デザインとされたモデルは、ロックレバー付き大型のリューズガードなど全体デザイン従来の“パネライ・スタンダード”に則っているものの、文字盤二重ではなくインデックスアラビア数字字体それまでパネライ製品使われているものとは異なっていた。このイタリア軍向け新型ダイバーズウォッチは軍の試験合格して採用決定したものの、量産発注なされず試作のみに終わっている。 マーレ ノストゥルム(Mare Nostrum) 試作モデル エジプト軍向けモデル、エジツィアーノ(Egiziano) イスラエル軍向け試作モデル、ドッピオポンテ(Doppio ponte) 1985年製作され試作モデル なお、軍事機密指定解除されているものの、21世紀においてもパネライダイバーズウォッチイタリア軍納入されているが、イタリア海軍特殊部隊(COMSUBIN)隊員実際に使用している時計質問したところ、圧倒的にカシオGショックであるとの返答得たとされる

※この「イタリア海軍向けダイバーズウォッチ」の解説は、「オフィチーネ・パネライ」の解説の一部です。
「イタリア海軍向けダイバーズウォッチ」を含む「オフィチーネ・パネライ」の記事については、「オフィチーネ・パネライ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「イタリア海軍向けダイバーズウォッチ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イタリア海軍向けダイバーズウォッチ」の関連用語

イタリア海軍向けダイバーズウォッチのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イタリア海軍向けダイバーズウォッチのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのオフィチーネ・パネライ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS