アメリカ大陸からもたらされたもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:36 UTC 版)
「近世における世界の一体化」の記事における「アメリカ大陸からもたらされたもの」の解説
アメリカ大陸からヨーロッパやアジアにもたらされたものも多い。 農産物としては、メキシコ原産のトウモロコシやサツマイモ、東洋種のカボチャ、トウガラシ、アンデス高原原産のジャガイモや西洋種のカボチャ、トマト、熱帯アメリカ原産のカカオなどが伝えられた。いずれも現代では世界中で重要な食糧となっており、ジャガイモはドイツ、トマトはイタリア、トウガラシは朝鮮の料理にそれぞれ不可欠な食材となっている。また、カカオはココアやチョコレートの原料として用いられている。 タバコは、アメリカ大陸では前10世紀ころより祭祀用の薬草、つまり神々への捧げ物として用いられていたと考えられており、マヤ文明の絵画にも喫煙の習慣が描かれている。マヤ人たちはタバコを万能の解毒剤として用い、また、その効用に魔術的な力を感じて儀式や占い、魔除けにも用いていた。コロンブスによってヨーロッパにもたらされ、当初は薬として使用されていた。 家畜としてはモルモットがあり、アンデス高原のように食用としては普及しなかったが、愛玩動物として、また生物学や医学のモデル生物として重要な役割を果たしている。家禽としては七面鳥があり、メキシコからスペイン人によってヨーロッパに伝わった。英語では中近東から伝わったホロホロチョウと混同してturkey cockあるいはturkey hen(トルコのニワトリ)と呼び、のちにクリスマスに食べる習慣が定着した。またヨーロッパで特に評判を呼んだのがビーバーの毛皮だった。その毛皮は柔らかくて帽子の材料とされ、シルクハットも当初はビーバーの毛皮で作られていた。インディアンがビーバーの狩猟を得意としていたことから、ヨーロッパ人との交易の対象となり、乱獲が進んで絶滅寸前まで追い込まれた時期もあった。また、その交易権をめぐってヨーロッパ人同士あるいはインディアン同士の紛争の種にもなった。 病気としては梅毒がある。元来はハイチの風土病だったのではないかと考えられ、コロンブス一行が現地の女性との性交渉によりヨーロッパにもち帰ったとされる。アジアへはガマ一行が1498年頃インドにもたらし、日本には永正9年(1512年)に中国より倭寇を通じて伝わった。
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