アメリカ大都市の死と生
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アメリカ大都市の死と生 | ||
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著者 | ジェイン・ジェイコブズ | |
発行日 | 1961 | |
発行元 | Random House, New York | |
ジャンル | ノンフィクション | |
国 | United States | |
言語 | English | |
形態 | 著作物 | |
ページ数 | 458 (1989 edition) | |
次作 | The Economy of Cities | |
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アメリカ大都市の死と生(あめりかだいとしのしとせい、英:The Death and Life of Great American Cities)は、作家兼活動家ジェーン・ジェイコブスによる1961年の本。この本は1950年代の都市計画政策についてアメリカ合衆国の多くの都市近隣の衰退の原因となっていることへの批評を展開 [1] 、現状のモダニズム計画の定説に反し、合衆国における有機的で都会的活気について新たなる感謝の視点を示した。
功績
この本はジェイコブスの著書の中で最も影響力のあるものであり続けており、依然として都市計画の専門家や一般市民双方によって広く愛読されており、現在6つの言語に翻訳され、25万冊以上販売されたが[2] 都市理論家のルイス・マンフォードは彼女の方法論に誤りも見つけながら、New York Review of Booksにおいて執筆機会を与え [3] 、ロバート・カロもロバート・モーゼスに関する自著の伝記「The Power Broker」執筆において特に強い影響を受けた本として本書を引用したとし [要出典] 、サミュエル・R・ディレイニーの自著「タイムズスクエアレッド、タイムズスクエアブルー」も都市研究領域における社会的関係に対する分析の内容ではこの書に大きく依存している。
書誌
- The Death and Life of Great American Cities (Modern Library (hardcover) ed.). New York: Random House. (February 1993) [1961]. ISBN 0-679-60047-7
- Jane Jacobsの遺産に関する洞察と考察
- 都市のヤコブス理論に向けて
- Robert Kanigel (2016). Eyes on the Street: The Life of Jane Jacobs. New York: Alfred A. Knopf. ISBN 9780307961907
脚注
- ^ “Jane Jacobs' Radical Legacy”. Peter Dreier (Summer 2006). 2006年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月3日閲覧。
- ^ Ward, Stephen: Jane Jacobs: Critic of the modernist approach to urban planning who believed that cities were places for people in The Independent, 3 June 2006
- ^ “Jane Jacobs Interviewed by Jim Kunstler for Metropolis Magazine, March 2001”. 2006年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年4月23日閲覧。
関連項目
アメリカ大都市の死と生
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「ジェイン・ジェイコブズ」の記事における「アメリカ大都市の死と生」の解説
ジェイコブスはアメリカの大都市が自動車中心になり、人間不在の状況になっていることに疑問を持ち、1961年に近代都市計画を批判する著書『アメリカ大都市の死と生』(The Death and Life of Great American Cities)を刊行して、反響を呼んだ。 ジェイコブスの挙げる例によると、ボストン市内にイタリア移民が多く住む地区(都市計画家から見れば再開発の対象となる地区)があるが、ここではほとんど犯罪が起こっていない、一方ボストンの郊外でも犯罪が多発している地区がある。ジェイコブスは、安全な街路の条件として、常に多数の目(ストリートウォッチャー)が存在していることなどを指摘している。 都市が多様性を持つための条件(The conditions for city diversity)として、ジェイコブスは次の4つを指摘した。 都市の街路や地区で,溢れんばかりの多様性を生成するためには,4つの条件が必要不可欠である。 1. 地区,そして,地区内部の可能な限り多くの場所において,主要な用途が2つ以上,望ましくは3つ以上存在しなければならない。そして,人々が異なる時間帯に外に出たり,異なる目的である場所にとどまったりすると同時に,人々が多くの施設を共通に利用できることを保証していなければならない。 2. 街区のほとんどが,短くなければならない。つまり,街路が頻繁に利用され,角を曲がる機会が頻繁に生じていなければならない。 3. 地区は,年代や状態の異なる様々な建物が混ざり合っていなければならない。古い建物が適切な割合で存在することで,建物がもたらす経済的な収益が多様でなければならない。この混ざり合いは,非常にきめ細かくなされていなければならない。 4. 目的がなんであるにせよ,人々が十分に高密度に集積していなければならない。これには,居住のために人々が高密度に集積していることも含まれる。(中略) この4つの条件は,どれかひとつが欠けても有効に機能しない。都市的多様性が生成するためには,4つの条件すべてが必要である。 — 著:ジェイン・ジェイコブズ、訳:中村仁 "The Death and Life of Great American Cities"(Random House, 1961, and Vintage, 1992, pp.150-151) 多様性は魅力的で活力のある都市の条件であるが、従来の都市計画ではまったく顧みられなかったとして、ル・コルビュジエの輝く都市など、機能優先の近代都市計画の理念を批判した。
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