アメリカ大陸での普及と発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 04:50 UTC 版)
「ワインの歴史」の記事における「アメリカ大陸での普及と発展」の解説
「新世界のワイン(英語版)」も参照 ヨーロッパのブドウ品種は、カトリックの聖餐の必需品を提供するために、最初のスペインの征服者によって、現在のメキシコに最初にもたらされた。スペインの宣教師によって植えられた品種の1つは、ミッションブドウ (宣教ブドウの意) として知られるようになり、現在でも少量植えられている。移民の成功により、フランス、イタリア、ドイツのブドウが輸入されたが、アメリカ原産のブドウを使ったワイン (風味は明らかに異なる場合がある) も生産されている。メキシコは、その生産量がスペインの商業生産に影響を及ぼし始めた16世紀頃から、最も重要なワイン生産国となった。この激しい競争の風潮の中で、スペイン王はメキシコのワイン生産とブドウ畑の植え付けを停止させるために行政命令を送ったりした。 19世紀後半のヨーロッパにおけるフィロキセラ病の壊滅的な蔓延の際に、アメリカ原産のブドウは害虫の影響を受けないことが分かった。フレンチ-アメリカンハイブリッド種ブドウはヨーロッパで開発され、いくらかの使用が見られたが、より重要なのは、ヨーロッパのブドウをアメリカの台木に接ぎ木することでブドウ園を昆虫から保護することだった。フィロキセラが存在する場所ならどこでも、この慣行が今日まで続いている。 今日、南北アメリカのワインは、アルゼンチン、カリフォルニア、チリに属するものが多く、安価な大瓶ワインから高品質の品種や独自のブレンドまで、幅広いワインを生産している。アメリカ大陸のワイン生産のほとんどは旧世界のブドウ品種に基づいており、ワイン生産地域ではしばしば移植導入されたブドウが特に厳密に識別されている。カリフォルニアのジンファンデル (クロアチアと南イタリア) 、アルゼンチンのマルベック、チリのカルメネール (両方ともフランス) が有名な例である。 20世紀後半まで、アメリカのワインは一般的にヨーロッパのワインより劣っていると見なされてきた。しかし、1976年のパリワイン品評会で驚くほど好意的なアメリカのプレゼンテーションが行われたため、新世界ワインがワイン起源の地で敬意を払われるきっかけとなった。
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