アストロメトリ法とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > アストロメトリ法の意味・解説 

アストロメトリ法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 14:53 UTC 版)

太陽系外惑星の発見方法」の記事における「アストロメトリ法」の解説

位置天文学」も参照 アストロメトリ法(英語: Astrometry method)または位置天文学法は、恒星周り天体との相対的な位置などを正確に測定し、その位置時間と共にどう変化するのかを追うものである。元々、眼視観測時代ら行われ、記録全て手作業行っていた。19世紀末までは、この方法は写真乾板使って行われた写真乾板は、測定精度飛躍的に向上させ、それを基にデータアーカイブが作成されるようになった上記ドップラー分光法述べた通り恒星惑星持っている場合惑星の重力によって恒星わずかに揺れ動くドップラー分光法では、この揺れによって生じスペクトルドップラー効果から惑星検出するが、アストロメトリ法では、恒星位置のずれを観測する事で検出する。ほとんどの場合、共通重心大きな方の天体内部位置してしまうため、質量差が小さく、共通重心外側寄り低質量星褐色矮星公転する惑星検出に有効である。 アストロメトリ法は太陽系外惑星探索する最古方法であり、また、位置天文連星特徴付け成功していたため、天文学者達の注目集めた。アストロメトリ法に関する記述18世紀後半天文学者ウィリアム・ハーシェル記述にまで遡る。彼は、地球から16.6光年離れた位置にあるへびつかい座70番星観測した際、未知伴星が、恒星位置影響及ぼしている事を主張した1855年、ウィリアム・ステフェン・ジェイコブ(英語版)は、この恒星惑星存在する可能性があると強く主張し、この惑星の為だけの正式な天文計算行った同様の計算はその半世紀後まで続き最終的に20世紀初頭に否定されるまで行われた。この2世紀渡って近隣の恒星を巡る「見えない天体」を確認するために、何度もアストロメトリ法による観測が行われた。1996年George Gatewoodの発表で、近隣にある恒星1つであるラランド21185存在する複数惑星がアストロメトリ法で発見されたと報告された。これらの主張のどれも観測結果曖昧で、はっきりとした確証無かったため、他の天文学者による賛同得られなかった。恒星位置変化はとても小さく大気揺らぎなどの影響で、最高性能地上望遠鏡でも、正確な測定値を得る事は出来ない1996年までに、この手法によって発見されたとされた太陽質量0.1未満天体はすべて存在しないとされている。2002年ハッブル宇宙望遠鏡は、以前からその存在知られていたグリーゼ876公転している惑星をアストロメトリ法で観測する事に成功した2013年打ち上げられ探査機ガイアは、アストロメトリ法を使用して数千個の惑星発見する事が期待されているが、ガイア打ち上げ以前で、アストロメトリ法を使用して初め発見され惑星無かったアメリカSIM PlanetQuest(2010年中止)は、ガイア同じよう手法太陽系外惑星探索行った。 アストロメトリ法の利点は、軌道長半径大き惑星検出しやすい事にある。そのため、軌道長半径が短い惑星検出されやすい、他の大部分発見方法補完として用いる事も出来る。しかし、軌道長半径長い公転周期長くなるため、トランジット法同様に長期間観測必要になるまた、連星伴星をアストロメトリ法で観測する場合は、互い恒星生じ摂動によって、容易に観測出来るが、そこに存在する惑星観測するには、他の発見方法による追加観測が必要となる。 2009年、アストロメトリ法によって、赤色矮星VB 10公転している惑星候補報告されVB 10 bと名付けられた。観測から、VB 10 bは木星の約7倍の質量を持つとされ、確認されれば、アストロメトリ法によって確認され初めての太陽系外惑星となるが、近年ドップラー分光法による観測で、その存在懐疑的な意見出されている。 2010年には、6つ恒星に、伴星存在する事が判明しそのうち1つHD 176051系には、惑星存在する可能性が高いとされた。

※この「アストロメトリ法」の解説は、「太陽系外惑星の発見方法」の解説の一部です。
「アストロメトリ法」を含む「太陽系外惑星の発見方法」の記事については、「太陽系外惑星の発見方法」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「アストロメトリ法」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アストロメトリ法」の関連用語

アストロメトリ法のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アストロメトリ法のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの太陽系外惑星の発見方法 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS