近隣の恒星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:09 UTC 版)
「近い恒星の一覧」も参照 太陽系は現在、局所恒星間雲(英語: Local Interstellar Clouds)と呼ばれる領域にある。しかし、局所恒星間雲はGクラウド(英語版)と呼ばれる星間雲と隣接しているが、太陽系が局所恒星間雲に属しているか、あるいは局所恒星間雲とGクラウドが相互作用する領域に位置しているかは分かっていない。局所恒星間雲は、局所泡(英語: Local Bubble)と呼ばれる、星間物質がまばらな直径約300光年の空間にある、星間物質が濃い領域である。局所泡は高温のプラズマで満たされており、これは局所泡が超新星爆発によって形成された可能性を示している。 太陽系から10光年以内の領域には、いくつかの恒星が存在している。もっとも近い恒星は、約4.4光年離れた三重連星系のケンタウルス座α星である。ケンタウルス座α星A、Bは太陽に比較的似た恒星で、それから0.2光年離れた軌道をプロキシマ・ケンタウリ(ケンタウルス座α星C)が公転している。2016年には、このプロキシマ・ケンタウリを公転する惑星、プロキシマ・ケンタウリbの存在が確認され、地球に似た環境を持つ可能性がある惑星として期待されている。次に太陽系に近い恒星として、赤色矮星のバーナード星(5.9光年)、ウォルフ359(7.8光年)、ラランド21185(8.3光年)がこれに続く。 近隣にある恒星でもっとも大きいのはシリウスで、約8.6光年離れている。約2倍の質量を持つA型主系列星で、白色矮星の伴星シリウスBが周囲を公転している。10光年以内にある、既知でもっとも近い褐色矮星は、2つの褐色矮星の連星系であるWISE J104915.57-531906.1(ルーマン16)で、約6.6光年離れている。10光年以内にある恒星としては、ほかにルイテン726-8(8.7光年)とロス154(9.7光年)がある。約10.5光年離れているエリダヌス座ε星は、大きな塵円盤を持つことが確認されている。太陽系にもっとも近い、太陽に類似した恒星は、約11.9光年離れた位置にあるくじら座τ星である。太陽の約80%の質量と、約60%の明るさを持ち、4つの惑星が周囲を公転している。既知でもっとも太陽系に近い自由浮遊惑星は、約7.3光年離れているWISE J085510.83-071442.5で、質量は木星の10倍未満とされている。
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