なみえ焼きそば
なみえ焼そば
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/23 05:30 UTC 版)
なみえ焼そば(なみえやきそば)は、福島県双葉郡浪江町で生まれた焼きそばで、ご当地グルメの一つである。浪江町商工会の地域団体商標[3]。太めの麺が特徴で、具はモヤシと豚肉。ラードで炒め、濃厚なソースで味付けされる[4]。一味唐辛子を振りかけて食べるのが通な食べ方とされる[5]。
歴史
国鉄(当時)常磐線浪江駅近くの居酒屋「浪江名物元祖焼そば 縄のれん」が1955年(昭和30年)に極太の麺を使用した焼きそばを提供し始め、それが浪江名物となった[6]。
2008年(平成20年)に浪江町商工会青年部が中心となって町興しのため「浪江焼麺太国」(なみえやきそばたいこく)という団体を設立。ナポレオンを意識していて、頭の上にやきそばが乗っている特徴的なファッションの「やきそば太王」を中心に広報活動している。2009年の春より愛Bリーグの北海道東北支部に加盟した。2010年に開催された「B-1グランプリ厚木大会」への参加を果たす。厚木大会では中間発表で12位の好位置につけるが、惜しくも10位までのランクインを逃す。
2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の影響で、浪江町全体が避難指示区域となり、「浪江焼麺太国」のメンバーも避難で離散してしまった。そんな中で参加した2011年に開催されたB-1グランプリ姫路大会では4位入賞を果たし、2012年に開催された北九州大会でも4位入賞となっている。2013年11月9日・10日に愛知県豊川市で開かれた第8回B-1グランプリでは1位を獲得した。
浪江町を含む福島県浜通りで避難指示が解除された区域が広がるにつれ、浪江町内の仮設商店街や2020年10月に開所した双葉町産業交流センターなど発祥地やその周辺でも提供されるようになっている[7]。
2025年3月14日に文化庁の100年フード「未来の100年フード部門」に認定された[8]。
2025年10月より商標権の都合により、本メニューを提供を行っていた事業者が「なみえ焼そば」の名称を外す動きが出始めている(詳細後述)。
提供・商品化
2011年10月24日に、日清食品からカップ焼きそばとしても販売[9]。売り上げの一部は「浪江焼麺太国」のまちおこし活動の支援に使われる。東北自動車道・常磐自動車道のサービスエリアで箱入りの商品が販売されているほか、南相馬鹿島サービスエリア(セデッテかしま)では軽食として提供されている[10]。
商標権
一時は偽物が横行[7]したため、浪江町商工会は2017年3月[1]に地域団体商標に登録した[3]。商標管理は株式会社浪江商事が受託している[11]。
2025年5月になり、商標権を持つ浪江町商工会は、提供する事業者から1社あたり3,000円の登録料と売り上げの2.5%を使用料として徴収することを通知した[1]。同年10月から、この徴収を始めたが、古くから焼そばを提供していた「杉乃家」が徴収に応じずメニュー名を変更した他、賛同せずメニュー名を下ろした店が出ている[1][2]。
宣伝
地元女子高校生がプロデュースしたNYTS(ナイツ)というアイドルユニットが『恋する焼きそば』を歌い、キャンペーンソングとして、地元の浪江となみえ焼そばをPRしている。B-1グランプリin厚木からNYTS(ナイツ)も参加し、Yahoo!のトップニュースに写真付きで取り上げられるなど、大きくメディアに報道された。このときに日本で初めて「ご当地アイドル」という呼ばれ方をされたアイドルユニットでもある。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d “タダで名乗れない「なみえ焼そば」…売り上げ2・5%徴収、町商工会「PR資金に」”. 読売新聞オンライン (2025年10月11日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b 岡本進「看板メニュー「なみえ焼きそば」消える 商工会が商標使用料を徴収 [福島県]」『朝日新聞』2025年10月12日。2025年10月23日閲覧。(
要購読契約) - ^ a b “商標登録第5934383号 なみえ焼そば(なみえやきそば)”. 特許庁. 2021年3月13日閲覧。
- ^ “なみえ焼そば”. B-1グランプリ公式サイト (2010年7月21日). 2011年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月13日閲覧。
- ^ “なみえ焼そば”. 浪江焼麺太国. 2025年9月9日閲覧。
- ^ “店の存続をかけて作った焼そば 親子二代に渡って引き継がれる味”. 朝日SALLY ウェブマガジン. 有限会社いまぁじゅ. 2021年3月13日閲覧。
- ^ a b 「双葉復興へ新たな拠点 産業交流センター開所/元記者 焼きそばで町おこし」『読売新聞』2020年10月2日、朝刊、社会面。
- ^ 「文化庁「100年フード」に福島県から新たに「なみえ焼そば」と「マミーすいとん」 全国最多の18件認定」『福島民報』2025年3月15日。2025年5月17日閲覧。
- ^ “福島県浪江町のB級ご当地グルメ!「なみえ焼そば」を商品化!!”. 日清食品 (2011年10月17日). 2011年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月13日閲覧。
- ^ “お食事処”. セデッテかしま. 2021年3月13日閲覧。
- ^ 「商標について | なみえ焼そば専用」株式会社浪江商事。2025年10月23日閲覧。
外部リンク
- なみえ焼きそばのページへのリンク