スキ (すき)
西日本に比べて畦立耕の少なかった東日本では、双用犂の牛馬耕の普及に重要な役割を果たした。双用犂は犂さきとへらを同時に左右に転向して、土れきを両方向に反転できる構造をもっているので、水田の畦の一端から順次往復耕で多端に耕起を進めることができる。このため土の移動が少なく、水田の均平整地が容易で能率も高い利点がある。双用犂では左返し、右返しで作用が同一であることが要求され、そのための転向装置や耕深耕幅の調節装置などに多くの考案がなされた。主として関東以北、北陸地方の水田平面耕や傾斜畑、区画の小さい圃場等に好まれて使われた。三重県名張市の高北新治郎は、大正8年に双用犂の転向装置に傾斜軸方式を発明し、それをとり入れた犂を国富号という銘柄で対象12年より売り始めた。従来の水平軸と比較して垂直吸込と、土れきの反転が良好で、その後の各種犂に採用された。昭和20年代に開発された「自由へら」をつけた田畑兼用犂である。自由へらはフォーク状の鉄片を連結金具に固着しないように取りつけ、捻曲面を自在に調節できるように考案したものである。犂さきはへらの表面に土が付着し易い火山灰畑土の耕起にその効果があったので、田畑兼用犂として販売され、本犂は桑園内の耕起に用いていた。犂先の長さ21.5cm、幅19.2cm、へらの長さ31cm、幅17cm(ホーク5本)ねり木の長さ119cm、重さ14kgである。 |
平スキ,スキ (ひらすき,すき)
近畿地方では、大阪を中心に、水田の裏作に綿や蔬菜などの商品作物を栽培する密度のたかい農業が発達した。いずれも、稲作あとの田の畝作り、溝掘り、田の縁の整理等に、橦木型の柄のあるシャベル型の鋤が使用された。全長100cm、刃の長さ32cm、幅13.5cm、重さ1.36kgの小形の鋤である。田の溝掘りにも使われ、現在も使用している。 |
犂,ハテシキイザイ (すき,はてしきいざい)
ハテシキイザイと呼ばれている。ごく最近まで南西諸島全域から南九州の一部で広く使われた畑用犂である。イザリ、ユザリ等の呼び名は、イザリ(躄)の転訛で、犂さきと犂床で土を分けて通るのがいざりに似ていることから出た名称である。宮古、八重山諸島では同じ犂をヤマ、ダマと呼ぶ。この犂は元来二頭引無反転が一頭引用犂を原型にしたもので、長いねり木が一頭引用に短小化したが、左右対称の狭い犂さきと長い犂床はそのままに無反転犂として使われてきた。それはこの犂の使用地域が琉球珊瑚石灰岩を母岩とする、小石混じりの畑土壌で、その耕うんや中耕、作条そして甘藷の掘取作業等によく適応する犂であったことを示している。わが国本土の長床犂と同じ四辺形枠組をもつ犂であるが、犂へらのない点、ねり木が上向き角度をしている点が大きく異り、その由来を異にすると考えられる。犂床の長さ62cm、ねり木の長さ127cm、重さ9kg。 |
犂 (すき)
わが国の畑地は火山灰土地帯に多く、従来の水田犂では、犂体面に土が付着して土れきの反転が悪く、また深耕も難しかった。その改良の成果の一つがこの高北式畑用犂で、ホークへらにして土の付着を少なくし、曲度を緩やかにしかも長く、上端の幅を広くして耕起した土のへら上で流れを無理なく、放てき反転させようとしたものである。いずれも弾性へらが用いられており、種々の土壌に適合するように、へら面の捻曲度を自由に調節できる構造を有していた。犂床の摩耗抵抗を減らし、しかも吸込みをよくして深耕をはかるためのハイヒール型犂床を採用している。昭和20年代末から30年代の始めにかけて改良された犂である。土の母号と名ずけた畑犂1号で、以後改良ごとに号を重ねた。犂先の長さ18.5cm、幅19.5cm、へらの長さ41cm、幅23cm(ホーク5本)ねり木の長さ116cm、重さ15.2kgである。 |
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