『源氏物語』の写本とは? わかりやすく解説

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『源氏物語』の写本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/11 01:02 UTC 版)

光源氏物語本事」の記事における「『源氏物語』の写本」の解説

『源氏物語』の写本について、本書では「本々のこと」として以下のような現在では全く知られていないだけでなく、『源氏物語のおこり』といった伝説的な記録除けば他の古注釈などにも全く見られないものまで含めたさまざまな写本について本文違いだけでなく判型表装などについてまで具体的に言及している。 「大炊御門齊院式子内親王御本」 式子内親王とは後白河天皇第3皇女である。宰相入道頼隆によれば、この写本には「譜巻」なるものが付されていたという。 「紫式部自筆本」 具体的な写本形状について記述無く今井源衛は「おそらく自筆本そのもの見たではなく自身推測した本文原型について述べたではなかろうか」としている。 「宇治宝蔵におさめらるる本」 宇治宝蔵とは藤原摂関家累代により築造され、その宝物などを納めた現在では宇治平等院のみが現存する宇治大伽藍のことであると思われる。『山頂湖面抄』などいくつかの古記録にある「雲隠帖などをこの宇治宝物殿隠した」といった伝承との関係が注目される「比叡法花堂本」 下記「比叡山中堂奉納の本」との関係は不明同一のものを指している可能性もある。 「延久三宮御本」延久三宮」とは後三条天皇皇子である輔仁親王のことと思われる「陰明門院御調度草子」 陰明門院とは関白藤原頼実の女、藤原麗子大炊御門麗子のことと思われる「鷹司院按察局福光殿」 按察使別当源光親の女、源光俊の妹と思われる「女院御本 宣揚門院より御相伝本」 宣揚門院とは後白河天皇皇女覲子内親王のことと思われる「野宮左大臣殿御本」 野宮左大臣とは徳大寺公継のことと思われる「京極自筆の本」京極」とは「京極中納言」すなわち藤原定家のことで、この「京極自筆の本」とは青表紙本のそれもおそらくは原本のことであると思われる。「本の奥の巻ごとに勘注などあり」との記述があることから独立した本になる前の第一次奥入含まれている写本であると思われる。「ことよのつねよりも枝葉ぬきたる本」と批判されている。この「京極自筆の本」対する「こと抜きたる本」との批判について青表紙本河内本いくつかの別本本文比較したとき青表紙本本文が一番短く簡潔な表現とっていることが多いため、単に本文あちこちから装飾的ない語句を取り去ったようなことを意味するとする見方もある一方で既存本文からのもっと大規模な文章除去例え古く『源氏物語』の中の巻として扱われてきた巣守桜人のような巻を『源氏物語』から排除したことを意味するではないかとする見方存在する「頼隆宰相入道本」 頼隆宰相入道とは藤原頼隆のことと思われる。「仮名漢字付けたり」とあり、簡単な意味を示す注釈付され写本であるとしている。 「孝行が本」 河内本のことと思われる。「関の東人々がら大きな用ひたり」「わろき本」として厳しく批判している。光行、親行、義行知行のいずれでもなく「孝行が本」呼んでおり、この「孝行」がこれまで不明であった紫明抄』の著者素寂の俗名であるとする根拠使われることがある「比叡山中堂奉納の本」 紫式部女房として仕えた藤原彰子奉納した本であるとされている。 「大斎院選子内親王へまいらせるる本」 選子内親王とは紫式部らと同時代人物であり、『源氏物語のおこり』などに記された「『源氏物語』はもともと選子内親王依頼書かれ物語である」との伝承との関係が注目される「源氏抄」 梗概書注釈書に付けられるような名前で呼ばれているが、『源氏物語』の写本と並べて記載されている。 「自余の古本」 いくつかの複数写本指していると思われ上記のような個別列挙したもの以外にいくつかの本が存在することを示唆している。

※この「『源氏物語』の写本」の解説は、「光源氏物語本事」の解説の一部です。
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