『ボヴァリー夫人』までとは? わかりやすく解説

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『ボヴァリー夫人』まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 05:47 UTC 版)

ギュスターヴ・フローベール」の記事における「『ボヴァリー夫人』まで」の解説

1847年4月激しやすいルイーズとの関係に疲れていたフローベールは、マクシム・デュ・カンとともに旅行計画し途中神経の発作見舞われながらブルターニュ方面を3か月かけて旅行帰郷後はデュ・カンと共同旅行記執筆したこの年の末よりフランス政治的な混乱揺れ、翌1848年2月23日フローベールはルイ・ブイエとともにパリ出向き新聞予告のあったデモ付き従ったパリ混乱面したフローベールは自らも猟銃を手に国民軍参加しテュイルリー宮殿では民衆による略奪を目にし、パリ市庁舎では共和国宣言聞いた。彼が目の当たりにした二月革命光景は、後に改筆した『感情教育』にそのままの形で描かれることになる。 フローベールは再びクロワッセに籠もり聖アントワーヌの誘惑』を書き始めたが、11月にデュ・カンがアルジェリア旅行から帰ると再び旅行への渇望起こった。母の同意得られる翌年まで『聖アントワーヌの誘惑』に専心し旅行に出る前の1849年9月完成させると、500原稿を丸4日かけてデュ・カンとルイ・ブイエに読み聞かせた結果惨憺たるもので、2人文章ロマン主義的な熱狂単調さ非難し出版反対した。フローベール大きなショックを受けるが、このとき2人からバルザックのような卑近なテーマ取り組んでみるよう勧められたことが、『ボヴァリー夫人』がフーロベールのうちに胚胎するきっかけとなった10月、デュ・カンとともにオリエント旅行出発エジプトからパレスチナシリアトルコギリシャイタリア21か月かけて回る。この旅行中梅毒うつされ急激に頭髪抜け、また太ったことで容貌様変わりした。1851年6月帰国9月より姦通題材にした新たな小説ボヴァリー夫人』の執筆開始。クロワッセの自室自身文体格闘偏執的な推敲繰り返し執筆疲れるとパリ出向いて友人のもとを訪れたルイーズ・コレとの関係も続いていたが、彼女が私生活口を挟むことに業を煮やし1854年手紙送って絶縁している。 1856年4年半の苦闘の末『ボヴァリー夫人』が完成し、デュ・カンの主宰するパリ評論』に分割掲載され反響を呼ぶ。この雑誌掲載された『ボヴァリー夫人』に対し1857年1月検事エルネスト・ピニャールにより公衆道徳違反裁判起こされるも、弁護士セナールの名弁論により無罪勝ち取る。なお、検事エルネストはこの直後ボードレール悪の華』の訴追行い、こちらは有罪判決となっている。後年、この検事匿名猥褻詩集出版していたことが判明した1857年4月レヴィ出版より『ボヴァリー夫人』が刊行される。すでに裁判によって知られていたことからベストセラーとなり、フローベールはこれによって一挙にその文名確立した批評家には無理解を示す者も少なくなかったが、ボードレールからは好意的な評価受け取った。この成功により著名人となったフローベールパリ文壇多く交流ができ、とくにサント・ブーヴテオフィル・ゴーティエゴンクール兄弟らと交流を持つようになったその場での言行は『ゴンクール日記』(岩波文庫2巻)に多く記されている。

※この「『ボヴァリー夫人』まで」の解説は、「ギュスターヴ・フローベール」の解説の一部です。
「『ボヴァリー夫人』まで」を含む「ギュスターヴ・フローベール」の記事については、「ギュスターヴ・フローベール」の概要を参照ください。

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