「綿ふき病見聞記」に対する『自然Nature』誌への反論の寄稿とは? わかりやすく解説

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「綿ふき病見聞記」に対する『自然Nature』誌への反論の寄稿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 16:51 UTC 版)

綿ふき病」の記事における「「綿ふき病見聞記」に対する『自然Nature』誌への反論の寄稿」の解説

健田の所説見聞した田尻は、すぐには表立った反論を行わなかったが、それは反論寄稿文中で「感情をしずめるために、冷却期間と強い自制とが必要であった」と田尻本人記述したように、健田の所説内容対す田尻憤慨大きかった。また健田による発表各方面多く話題投げかけることとなり、綿ふき病に関して不審疑念を抱く人々多数現れてしまい、結果的にそれ以降研究推進心理的なブレーキがかかり、新たに研究に加わろうとする参加者阻害する要因となってしまった。田尻してみればこれまで健田との間で数回の手紙のやり取り行い誤解を残さぬように、むしろ田尻側から進んでN農婦検診求め実際に健田の求めるまま実験処置協力し病歴についても十分説明したのに何故?という心情であった。 健田による『自然Nature』誌掲載から約8か月後の1966年3月田尻は「綿ふき病見聞記」への反論題する所説を、公平を期すため健田が発表したのと同じ中央公論社の『自然Nature』誌へ寄稿したこの中で田尻は「健田の疑念」に対す反証いくつか行った。まず「尿の性状と量」について健田が一言触れていない点を不可解であると指摘した排尿回数排尿量の綿の排出関係性は「#綿の排出と排尿回数の関係セクション」で前述した通りで、このことについて田尻は健田に対し手紙口頭説明しているにも関わらず、その考察がまったくされていない。健田の主張するように綿の人為的挿入を疑うのなら、尿が少ない、あるいは数日間におよぶ無尿の状態も作為的なものだと言うのか、年単位におよぶデータを基にした排尿量と綿の排出量が反比例している事実も、N農婦による計画的作為と言うのかと反論し他所類似例いざ知らず、N農婦事例は「作為的な綿の挿入」などという単純な結論解決できる問題ではないと主張した続いて健田がスケッチ行い描いたという一夜の間に創口の数が増えたという内容対し長年観察してきた主治医立場として、いまだかつて一夜の間に創口周辺状況これほど変貌した事実はなく、今回場合最初から2日目描いたスケッチ描写のほうが正しい。健田が訪れた一昼夜の間に創口数の増減などはない。膨隆していた部位に綿が隠されていたのではないか、という疑いについても、健田も田尻一緒になって膨隆部位周辺にある複数創口清掃しており綿の取り残しは無いはずで、まして18個もの多数の綿塊が残っているはずがない反論したこのように田尻は健田の指摘した複数疑念点に対し主治医としての観点から逐一反論行い綿ふき病対す疑念興味本位による解釈払拭しようと試みたが、学会内の反応は非常に冷淡であった綿ふき病対す当時医療関係者間の様子について、東海大学医学部教授慶應義塾大学名誉教授小林忠義は後年次のように述べている。 …要するに、あまり奇異な現象のため臨床家研究者も「当事者である田尻氏赤木氏以外は」半信半疑のうちに思考停止に陥って、そんな馬鹿なという感情論だけが残ったようである。もしこれが単なる(綿を産出しない原因不明肉芽疾患であるとしたら、他の奇病同じよう研究者大い意欲燃やした違いない小林忠義『考え資料 綿ふき病 (医学座標)』「最新醫學=The medical frontline 1977年8月号」より一部抜粋引用

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