《咽喉》の正しい読み方
「咽喉」の正しい読み方
「咽喉」の「咽」という漢字の読み方には「いん」「えん」「えつ」「のど」「むせ(ぶ)」「の(む)」があり、「喉」という漢字には「こう」「のど」という読み方がある。したがって、「咽喉」という漢字を正しく読むと「いんこう」となる。また、文学作品の中では「咽喉」という漢字に「のど」や「のんど」とルビをふっている作品も多く存在している。すべて「咽喉」、つまり人間の喉のことを指す言葉のため、どの読み方でも間違いではない。「咽喉」の意味解説
「咽喉」を簡単に説明すると、人間の喉のことである。鼻や口や舌の奥の部分である咽頭と男性でいう喉仏がある部分の喉頭のふたつの場所から構成されている器官である。人間の喉と鼻は繋がっているが、実は「咽喉」に食道と気管の入り口がある。食道と気管の入り口が同じ部分にあるため、食べ物を飲み込んだ時に誤って気管の方に入ってしまわないように自動的に気管側の蓋が閉まる仕組みとなっている。また、この他にも、必ず通らなければならないような重要な場所を指すときに「咽喉」という言葉を使用することもある。なぜ「咽喉」と読むのか・理由
「咽喉」は、「のど」という意味をもつ「咽」「喉」の2つの漢字をそれぞれ音読みで読んだものである。「咽喉」の類語・用例・例文
「咽喉」の類語は、「咽頭」や「のど」である。どちらの言葉も胃や肺への経路としての意味で使用される言葉である。また、呼吸という重要な役割に関与していることから、「呼吸器」も類語として扱われている。さらに、重要な道という意味を指す「咽喉」の類語としては、「要路」「要衝」などがある。「咽喉」の用例・例文には、「喉が腫れているので、耳鼻咽喉科の医者に診てもらった」「耳鼻咽喉科は、鼻や喉、咽頭、気管支や肺などに特化した医学である」などがある。「咽喉」はヒトの身体の名称のため、「鼻咽喉軟性内視鏡洗浄器」や「耳鼻咽喉科用噴霧装置」「咽喉粘膜除去」「咽喉動脈」など医療用語に使用されることが多い単語である。「咽喉」という熟語は、石川啄木著の「初めて見たる小樽」の中で、「初めて杖を留めた凾館は、北海の咽喉といわれて」と表現されている。また、 芥川竜之介 著「蜜柑」では「元来咽喉を害していた私は、手巾を顔に当てる暇さえなく」と表現されているなど、多くの文学作品の中に登場している。
「咽喉」の英語用例・例文
「咽喉」を英単語で表記すると、「throat」「laryngopharynx」「fauces」などがある。「咽喉」の英単語を使用した用例・例文には、「What is the reason why you were interested in otolaryngology?(あなたが耳鼻咽喉学に興味をもった理由はなんですか?)」や「Parenteral cephalosporin is used for the severe infectious diseases such as the lungs, throat, the ear(非経口のセファロスポリンは、肺や咽喉、耳などの重症感染症に使用されている)」、「It is treated the throat flame(咽喉炎の治療)」「When an allergic symptom occurs, throat is itchy(アレルギー症状が起きると咽喉がかゆい)」などが挙げられる。
《咽喉》の正しい読み方
「咽喉」の正しい読み方
「咽喉」は「いんこう」と読む。あるいは、本来的な読み方ではないが「のど」と読む場合もあり得る。「咽喉」の意味解説
「咽喉」とは「のど」のこと。「咽頭」と「喉頭」の総称。食道と気管の上方にある。空気は咽頭を過ぎて喉頭を通り、気管から肺へと取り込まれる。一方で食物は、咽頭を過ぎると食道を通って胃へと運ばれる。咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれ、三つが相互に作用して呼吸と嚥下をコントロールする。喉頭はのどぼとけの部分にあたり、気管と咽頭を分けている。空気の通路であり発声を行う部分でもある。咽頭という器官は狭く、なおかつ大切な場所であることから、転じて「交通の要衝、重要な通路、大切な場所」といった意味で用いられる場合もある。なぜ「咽喉(いんこう)」と読むのか・理由
「咽喉」を「いんこう」と読むのは、「咽」の「いん」も「喉」の「こう」も常用漢字表の音訓読みに示されているため。また常用漢字表には「咽喉」の「咽」「喉」どちらの字にも「のど」という読み方が示されているため、「咽喉」を「のど」と慣用的に読むことがあるが、これは当て字であり、正式な読み方とは言えない。「咽喉」の類語・用例・例文
「咽頭」の類語には、「喉元」「気管」「気道」などがあるほか、要衝・要所という意味を含んで使う場合には、「喉頸」「喉頸」「喉首」なども類語として用いることができる。「咽喉」の用例には、「何はともかく、本土に近い海路の咽喉岡崎の港——撫養街道を駆けぬけて周馬を追い越し、そこできゃつを引っ捕えなければならぬ(「鳴門秘帖」 吉川英治)」、「内神田の咽喉を扼している、ここの狭隘に、おりおり捲き起される冷たい埃を浴びて、影のような群集が忙しげに摩れ違っている(「青年」森鴎外)」、「細胞組織の変色はなかったが、咽喉部だけに内出血と指のあとがあった(「モルグ街の殺人」ポー)」、「ここを占有しているドイツは東洋の咽喉を扼しているようなものだという意味を婉曲に匂わせながら聴衆の中に交じっている日本留学生の自分の顔を見てにこにこした(「ベルリン大学」寺田寅彦)」などがある。
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