大岡昇平 受賞歴

大岡昇平

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 14:34 UTC 版)

受賞歴

家族・親族

大岡家

和歌山市東京都
家系
1922年(大正11年)左より、姉文子、弟辰弥、父貞三郎、昇平、弟保、母つる
大岡家の家紋は「瑞籬」で、大岡忠相(越前守)を出した三河大岡氏と同紋である[26]頼宣駿河にいた頃からの家臣で、元和5年(1619年)和歌山移封にいっしょに随いて来たが、後、帰農したと伝える[26]
大岡家には系図はないが、菩提寺の松島聞光寺の過去帳寛文8年から始っている[27]
『南紀徳川史』第八巻に曽祖父大岡利兵衛が、天保12年(1841年)金20両を献金して、「地士(郷士)」に取り立てられたてられたとの記事(「松島新田村、年頭お目見得の節のしめ者、天保十二年、地士に、大岡利兵衛」)がある[27]。なお年頭御目見得節慰斗目着用御免」は献金地士の中で一番安い口で、「代々同断が」40両、御代官支配がこれと同額、勘定奉行支配が70両「平地士」100両以上である[28]
祖父弥膳は三十町持ちの地主で、陸奥宗光の有力な後援者であり、鷺宮の本願寺別院の檀家総代だった[26]。弥膳は「利兵衛の代には二町しかなかった田地を、自分の代に三十町にした」と威張っていたという[28]。弥膳は明治22年(1889年和歌山県海草郡四箇郷村の初代村長、20年代の未詳の年に郡会議員となった[29]
祖母ゆうは那賀郡畑毛の地主吉村家の出身で、当主角次郎貴族院多額納税者議員、父貞三郎の従兄に当る友之進も貴族院議員で、吉村製糸社長だった[26][30]
昭和28年(1953年)10月、神奈川大磯の自宅庭にて、妻・春枝と
家庭
  • 妻・春枝旧姓上村)
  • 長女・鞆絵(児童文学者)
  • 長男・貞一

高村家

和歌山市
母の実家高村家は和歌山市商家だった。高村家の戸籍は混乱している[31]
祖母くに安政5年(1858年)生まれ、大叔母友枝明治6年(1873年)生まれで16も年が違う[31]戸籍上は姉妹になっているが、実は親子だといううわさがあった[31]。しかし友枝が昭和27年(1952年)死亡するまで身辺に付添っていた姉は、そのうわさを否定している[31]
曽祖父高村平助和歌山市の湊方面のかなりの材木商いだったそうだが、明治10年代(1877年-1886年)に没落した[31]
くにと友枝の姉妹は芸事で身を立てることになった[31]。くには料亭仲居に、友枝は芸妓になった[31]。くにには明治17年(1884年私生児として、母つるを生んだほかに子はない[31]戸籍上は妹になっている[31]。そのうち友枝が和歌山市内のある工業会社の社長の庇護を受けて丸の内十一番丁に置屋兼お茶屋「明月」を出し、くにとつるを養った。母はやがてそこから内娘として出た[32]
大岡昇平によれば〔私は「明月」がただの料理屋ではなく講談や時代小説にあるような芸妓屋であることを疑うことができなくなったのである。“大将、大将”といって卑(いや)しく男を取巻く慣習を、初枝[33]さんだけでなく、祖母が持っているのである。…私はそのような卑(いや)しい母から生れたことを情なく思った。〕という[34]
父と馴染んで姉文子を生んだのは、明治37年(1904年)で、20歳の時である[35]。父と母の結婚上京は姉を認知した明治40年(1907年)の末か明治41年(1908年)の初め、やがて昇平を妊娠することによって母は正式に入籍し、姉文子も嫡出子の資格を得る[36]入籍は昇平の生まれる3ヶ月前の明治41年(1908年)12月である[36]

著作

  • 俘虜記』(1949) のち新潮文庫、角川文庫、講談社文庫
  • 『サンホセの聖母』(作品社、1950)のち角川文庫
  • 武蔵野夫人』新潮社(1950)のち新潮文庫
  • 『来宮心中』(新潮社、1951)のち集英社文庫
  • 『妻』(池田書店、1951)「妻・母」角川文庫
  • 野火』(1952) のち新潮文庫、角川文庫
  • 『母』(文藝春秋新社、1952)
  • 『詩と小説の間』(創元社、1952)
  • 『わが師 わが友』(創元社、1953)、のち新編「文学の運命」講談社文芸文庫
  • 『化粧』(新潮社、1954)
  • 『酸素』(新潮社、1955)のち新潮文庫
  • 『振分け髪』(河出書房、1955)、新編「疑惑 推理小説傑作選」河出文庫
  • 『ザルツブルクの小枝』(新潮社、1956)のち中公文庫
  • 『雌花』(新潮社、1957)
  • 『作家の日記』(新潮社、1958)
  • 『朝の歌 中原中也伝』(角川書店、1958、改訂版1967)
  • 『夜の触手』(光文社カッパ・ブックス、1960)のち集英社文庫
  • 『扉のかげの男』(新潮社、1960)
  • 『真昼の歩行者』(角川書店、1960)
  • 『アマチュアゴルフ』(アサヒゴルフ出版局、1961)のち潮文庫
  • 花影』(中央公論社、1961)のち新潮文庫、講談社文芸文庫
  • 『常識的文学論』(講談社、1962)のち講談社文芸文庫(新編)
  • 『逆杉』(新潮社、1962)
  • 『現代小説作法』(文藝春秋新社、1962)のち第三文明社〈レグルス文庫〉、ちくま学芸文庫
  • 『文壇論争術』(雪華社、1962)
  • 『歌と死と空』(光文社、1962)のち中公文庫
  • 『文学的ソヴィエト紀行』(講談社、1963)
  • 将門記』(中央公論社、1966)のち文庫
  • 『遥かなる団地』(講談社、1967)
  • 『在りし日の歌』(角川書店、1967)のち文庫
  • 『昭和文学への証言』(文藝春秋、1969)
  • 『ミンドロ島ふたたび』(中央公論社、1969)のち文庫(改版2016)
  • 『愛について』(新潮社、1970)のち文庫、講談社文芸文庫
  • 『母六夜』(新潮社、1971)のち集英社文庫
  • レイテ戦記』(全3巻、中央公論社、1971 のち文庫・新編全4巻、2018)
  • 『コルシカ紀行』(中公新書、1972)
  • 『私自身への証言』(中央公論社、1972)
  • 『凍った炎』(講談社、1972)のち文庫 - メリメを論ず
  • 『幼年』(潮出版社、1973)のち文春文庫、講談社文芸文庫
  • 『萌野』(講談社、1973)のち文庫
  • 『作家と作品の間』(第三文明社、1973)
  • 『わがスタンダール』(立風書房、1973)のち講談社文芸文庫(新編)
  • 『中原中也』(角川書店、1974)のち角川文庫、講談社文芸文庫(新編)
  • 天誅組』(講談社、1974)のち講談社文庫、文芸文庫
  • 『歴史小説の問題』(文藝春秋、1974)のち新編「歴史小説論」岩波同時代ライブラリー
  • 『富永太郎』(中央公論社、1974)
  • 『富永太郎と中原中也』(第三文明社〈レグルス文庫〉、1975)
  • 『少年』(筑摩書房、1975)のち新潮文庫、講談社文芸文庫
  • 『文学における虚と実』(講談社、1976)- ※「堺事件」、「漱石とアーサー王伝説」論争などの評論を収める
  • 『わが美的洗脳』(番町書房、1976)のち講談社文芸文庫
  • 『桜と銀杏』(毎日新聞社、1976)
  • 『ゴルフ酒旅』(番町書房、1976)のち中公文庫
  • 『ある補充兵の戦い』(現代史出版会、1977)のち徳間文庫、岩波現代文庫
  • 『戦争』(九芸出版、1978)のち「わが復員 わが戦後」徳間文庫(新編)、岩波現代文庫
  • 事件』(新潮社、1977)のち文庫、双葉文庫、創元推理文庫
  • 『無罪』(新潮社、1978)のち文庫、小学館文庫
  • 『雲の肖像』(新潮社、1979)のち文庫
  • 『最初の目撃者』(集英社、1979)のち文庫
  • ハムレット日記』(新潮社、1980)のち新編「野火・ハムレット日記」岩波文庫
  • 『成城だより』(文藝春秋(全3巻)、1981-86)のち講談社文芸文庫(上下)、中公文庫(全3巻)、2019
  • 『青い光』(新潮社、1981)のち文庫
  • ながい旅』(新潮社、1982)のち文庫、角川文庫
  • 『生と歌 中原中也その後』(角川書店、1982)
  • 『姦通の記号学』(文藝春秋、1984)
  • 『ルイズ・ブルックスと「ルル」』(中央公論社、1984)
  • 『証言その時々』(筑摩書房、1987)、講談社学術文庫、2014
  • 『小説家 夏目漱石』(筑摩書房、1988)、ちくま学芸文庫、1992
  • 『大岡昇平音楽論集』(深夜叢書社、1989)
  • 『堺港攘夷始末』(中央公論社、1989)、中公文庫、1992、改版2004
  • 『昭和末』(岩波書店、1989)
  • 日本文学全集18 大岡昇平』(池澤夏樹編、河出書房新社 2016)
  • 『大岡昇平 歴史小説集成』(中公文庫、2017.1)、「将門記」など全10篇
  • 『小林秀雄』(中公文庫、2018.11)、文庫新編、解説山城むつみ

共著

  • 『戦争と文学と-大岡昇平対談集』(中央公論社、1972、文春学藝ライブラリー(新編)、2015)
  • 『作家の体験と創造 大岡昇平対談集』(潮出版社、1974)
  • 『わが文学生活』(中央公論社、1975)- インタビュー集、のち文庫
  • 『二つの同時代史』(埴谷雄高と対談、岩波書店、1984)、のち岩波現代文庫
  • 平塚らいてうと日本の近代』(丸岡秀子と対談、岩波書店〈岩波ブックレット〉、1986)

全集

  • 『大岡昇平全集』 中央公論社(全16巻)、1973~1976
  • 『大岡昇平集』 岩波書店(全18巻)、1982~1984
  • 決定版『大岡昇平全集』 筑摩書房(全23巻・別巻1)、1994~2003



  1. ^ a b 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、3頁)
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 中野孝次編『大岡昇平の仕事』(1997年、岩波書店、215-217頁)
  3. ^ a b 北九州市立松本清張記念館編集・発行『一九〇九年生まれの作家たち』(2009年、2-3頁)
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad 北九州市立松本清張記念館編集・発行『一九〇九年生まれの作家たち』(2009年、13-23頁)
  5. ^ a b c d 公益財団法人神奈川文学振興会編集『大岡昇平の世界展』(2020年、神奈川近代文学館、10-12頁)
  6. ^ a b c d e f 新潮日本文学アルバム 大岡昇平』104頁
  7. ^ a b 北九州市立松本清張記念館編集・発行『一九〇九年生まれの作家たち』(2009年、4-5頁)
  8. ^ 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、4頁)
  9. ^ 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、98頁)
  10. ^ a b c d 金井美恵子・他『群像日本の作家 19』(1992年、小学館、331-333頁)
  11. ^ 沢木耕太郎『テロルの決算』より
  12. ^ 北九州市立松本清張記念館編集・発行『一九〇九年生まれの作家たち』(2009年、7頁)
  13. ^ a b c d e f g h i j 新潮日本文学アルバム 大岡昇平』105頁
  14. ^ 北九州市立松本清張記念館編集・発行『一九〇九年生まれの作家たち』(2009年、10-11頁)
  15. ^ a b c 新潮日本文学アルバム 大岡昇平』106頁
  16. ^ 【印刷用】大岡昇平氏の翻訳原稿発見/仏映画「美女と野獣」 | 全国ニュース | 四国新聞社”. www.shikoku-np.co.jp. 2020年5月31日閲覧。
  17. ^ a b c d e f g h 新潮日本文学アルバム 大岡昇平』107頁
  18. ^ a b c d e f g h i j k l 中野孝次編『大岡昇平の仕事』(1997年、岩波書店、217-219頁)
  19. ^ a b c 新潮日本文学アルバム 大岡昇平』108頁
  20. ^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)58頁
  21. ^ 服部敏良『事典有名人の死亡診断 近代編』付録「近代有名人の死因一覧」(吉川弘文館、2010年)6頁
  22. ^ 榊山潤編『碁がたき』(南北社)p.7
  23. ^ 『成城だより』1980年5月8日の記述より。
  24. ^ より詳しい記述は『成城だより』1980年9月10日に「選考委員の総体ではなく、(候補に挙げないのはおかしいと、選考の段階で欠席して、あとでクレームを入れた)クレーム委員とこの(それによって意見を変えた)翻意委員(舟橋聖一)に恩を着ることとなる」としている。
  25. ^ 加賀乙彦著『加賀乙彦 自伝』 集英社 2013年
  26. ^ a b c d 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、58頁)
  27. ^ a b 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、59頁)
  28. ^ a b 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み>』(1975年、筑摩書房、60頁)
  29. ^ 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、62頁)
  30. ^ 6.築き:源流”. 和歌山の日本酒・米焼酎【日本城蔵元 吉村秀雄商店】. 吉村秀雄商店. 2013年8月31日閲覧。
  31. ^ a b c d e f g h i 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、109頁)
  32. ^ 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、109-110頁)
  33. ^ 母が“姉さんのようにしていた”女性である
  34. ^ 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、103頁)
  35. ^ 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、110頁)
  36. ^ a b 大岡昇平著『少年─ある自伝の試み』(1975年、筑摩書房、111頁)
  37. ^ 『大岡昇平展』神奈川近代文学館・財団法人神奈川文学振興会、1996年10月19日、2頁。
  38. ^ 『神奈川近代文学館 第54号』、1996年10月15日、1頁。
  39. ^ 『大岡昇平の世界展』県立神奈川近代文学館・公益財団法人神奈川文学振興会、2020年3月20日、2頁。
  40. ^ 『人物ゆかりの旧跡・文化施設事典』日外アソシエーツ、2014年1月25日、81頁。
  41. ^ 『大磯町立図書館年報 平成4年度』。


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