クマザサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 17:58 UTC 版)
利用
葉の隈取りを愛でて、庭園や公園に栽培されることもある[5]。葉の部分は、さわやかな香りと、さっぱりした味があり、飲料用、薬用などに利用される[3]。
食用
笹の葉には優れた抗菌作用・防腐作用があるため、昔から笹寿司(石川・富山および長野・新潟)やちまき、日本料理に使われている[5][3]。
旧飛騨国(現岐阜県北部)では隈笹の実が野麦(のむぎ)と呼ばれ、野麦峠という地名もある。凶作の年にはその実を食べて飢えをしのいだという。
薬用
胃炎、口内炎に効果があるとされ[5]、ビタミンKが多く含まれていることから、歯周病予防、口内炎予防、口臭予防に良いともいわれている[3]。ビタミン、ミネラルなどの栄養素がバランス良く含まれており、漢方では万病に効く薬草として扱われている[3]。葉を薬用するときは収穫はいつでもよく、採集したら細かく刻んで天日干しする[5]。一般に見られるチマキザサなども同様に薬用にできる[5]。
乾燥した葉をフライパンや鍋などで炒ってから、煎じて健康茶として飲まれたり[5]、エキスが健康食品として市販されている。これは高血圧、糖尿病などに効果があるとされるが、ヒトに対する有効性について信頼できるデータはないようである[6]。クマザサの葉を淡竹葉(たんちくよう)という生薬名でいうこともある(ただし、淡竹葉を他植物とする場合もある)。民間療法で、1回20グラムほどの新鮮な葉をミキサーで砕いて、青汁を作って1日2回服用する用法も知られている[5]。胃腸の熱を冷ます薬草効果があるため、胃腸の冷えやすい人や妊婦には使用禁忌だと言われている[5]。
注釈
出典
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Sasa veitchii (Carrière) Rehder var. veitchii” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月6日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Sasa albomarginata (Miq.) Makino et Shibata” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g 伊藤・野口監修 誠文堂新光社編 2013, p. 50.
- ^ Clayton, W.D. et al. (2021). World Checklist of Poaceae. Facilitated by the Royal Botanic Gardens, Kew. Published on the Internet; http://wcsp.science.kew.org/namedetail.do?name_id=440864 Retrieved 16 June 2021
- ^ a b c d e f g h i 貝津好孝 1995, p. 29.
- ^ クマザサ(2007/04/03) - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
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