渡辺水巴とは? わかりやすく解説

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わたなべ‐すいは【渡辺水巴】

読み方:わたなべすいは

[1882〜1946俳人東京生まれ本名、義。内藤鳴雪高浜虚子学び俳句雑誌曲水」を創刊主宰句集水巴句帖」「隈笹」「白日」。


渡邊水巴

渡邊水巴の俳句

うすめても花の匂ひの葛湯かな
かたまつて薄き光の菫かな
さざ波は立春の譜をひろげたり
てのひらに落花とまらぬ月夜かな
ひとすぢの秋風なりし蚊遣香
ふるるものを切る隈笹や冬の山
ほんの少し家賃下りぬ蜆汁
一筋の秋風なりし蚊遣香
二日月神州狭くなりにけり
八月のうぐひす幽し嶽の裏
公魚のよるさざなみか降る雪に
冬山やどこまで登る郵便夫
土雛は昔流人や作りけん
天渺々笑ひたくなりし花野かな
寂寞と湯婆に足をそろへけり
昼寄席に晒井の声きこえけり
月光にぶつかつて行く山路かな
白日は我が霊なりし落葉かな
行春やうしろ向けても京人形
選句しつつ火種なくしぬ寒雀
 

渡辺水巴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 01:50 UTC 版)

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渡辺 水巴(わたなべ すいは、1882年明治15年)6月16日 - 1946年昭和21年)8月13日)は東京出身の俳人。本名は渡辺義(よし)。

経歴

東京府東京市浅草区浅草小島町(現在の東京都台東区小島)に生まれる。父は近代画家の渡辺省亭で、裕福な家庭の中で悠悠自適の少年時代を送る。育英小学校卒業を経て、1899年、日本中学(現在の日本学園中学校・高等学校)第三学年修業後退学。1900年、俳句で身を立てることを志し、翌年内藤鳴雪を訪れ門下生となる。終生俳句以外に職を求めなかった。また同居した妹つゆ女も俳人であった。

1906年、高浜虚子に師事。千鳥吟社より「俳諧草紙」を創刊(1909年「文庫」に合併)。1913年、曲水社を設立。1914年、「ホトトギス」雑詠を代選。1915年、水巴選『虚子句集』刊行。1916年、主宰誌「曲水」を刊行し、没年まで主宰。1918年に経済的、精神的な柱であった父が死去。1922年、片桐花子と結婚。1923年、関東大震災に罹災し、一時大阪豊中に住む。1929年、長谷川きく(桂子)と再婚。1942年、日本文学報国会俳句部会常任理事。1945年、強制疎開で藤沢市鵠村に移り、1946年に同地で没。享年65。

村上鬼城飯田蛇笏などとともに大正初期の「ホトトギス」中興を支えた俳人の一人で、江戸趣味を湛えつつ繊細で唯美的な作風であった。代表句に「白日はわが霊なりし落葉かな」「てのひらに落花とまらぬ月夜かな」「かたまつて薄き光の菫かな」「寂寞と湯婆(たんぽ)に足を揃へけり」などがある。1913年の「ホトトギス」誌で主観の尊重を説く文章を発表。虚子は『進むべき俳句の道』で「無情のものを有情にみる」ことを水巴の特徴として挙げたが、父の死後にはさらに人間的な陰影と厚みが加わった。

著書

  • 『水巴句集』(1915年)
  • 『水巴句帖』(1922年)
  • 『白日』(1936年)
  • 『新月』(1947年)
  • 『富士』(1943年)
  • 『水巴句集』(1956年)
  • 『水巴文集』(上下。1984年)

参考文献

  • 『俳句人名辞典』 常石英明編著 金園社
  • 『現代俳句ハンドブック』 雄山閣
  • 『現代俳句大事典』 三省堂

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