アラキドン酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 02:03 UTC 版)
存在と役割
細胞膜中のリン脂質(特にホスファチジルエタノールアミン・ホスファチジルクロリン・ホスファチジルイノシトール)として存在し、なかでも脳に多く含まれる。
アラキドン酸はホスホリパーゼA2によってリン脂質から遊離し、ここから プロスタグランジン・トロンボキサン・ロイコトリエンなど、一連のエイコサノイドがつくられ、また細胞間のシグナル伝達におけるセカンドメッセンジャーとして働く。これらの生合成過程や体内での作用はアラキドン酸カスケードと呼ばれる。
アラキドン酸は、ほとんどの哺乳類にとって必須脂肪酸であると考えられている。
摂取
主に肉、卵、魚、母乳などに含まれており、欧米など諸外国では乳児用調製乳にも添加されている。
ヒトでは、アラキドン酸はリノール酸を原料として体内で合成されるが、種によってはこの機能が十分でないため必要な量を生産することができないか、あるいは全く生産する機能を持たない。アラキドン酸は植物にはほとんど含まれないため、自ら十分な量を生産できない動物(ネコなど)は他の動物の捕食によって摂取する必要がある。
自閉症スペクトラムの患者にアラキドン酸を平均228日間、経口投与し続けた結果、症状の一部改善が見られたという報告がある「自閉症スペクトラム障害の社会性障害におけるアラキドン酸の役割について」『日本精神神経学会』2010年。
外部リンク
- アラキドン酸 - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- アラキドン酸 - 脳科学辞典
- ^ Pubchem. “5,8,11,14-Eicosatetraenoic acid | C20H32O2 - PubChem”. pubchem.ncbi.nlm.nih.gov. 2016年3月31日閲覧。
- 1 アラキドン酸とは
- 2 アラキドン酸の概要
- 3 存在と役割
アラキドン酸と同じ種類の言葉
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