と‐じん【都人】
みやこ‐びと【都人】
都人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 02:19 UTC 版)
坂上田村麻呂 実在の人物。近衛府を経て征夷大将軍となり、阿弖流為率いる蝦夷軍を討伐した人物として知られる。 蝦夷との戦の最前線である坂東で、各地を視察する傍ら、帝の密命により皇に救いをもたらすと言われる明玉を探す中で、阿高と藤太を見出した。阿高を追って藤太たちと共に蝦夷の地へと赴き、藤太たちが阿高を取り戻すのに協力する。その際阿高の力を目の当たりにしたことで、阿高が怨霊を取り除ける唯一の存在と確信し、阿高を都へ誘う。都人らしからぬ気さくで勇猛で豪胆な人物だが、状況を見て前言撤回することもあり、たびたび藤太たちを当惑させる。皇妃となった姉を怨霊で失っており、また近衛少将と言う立場から、怨霊を取り除く方法を求めている。蛮族であるはずの蝦夷に理解を示し、蝦夷を守るために征夷大将軍の地位を望むようになる。 安殿皇子 実在の人物、後の平城天皇。史実では、後に政権を巡って同母弟・神野と対立する(薬子の変)。 苑上の同母兄で皇太子。18歳。母親似の美青年で、妹思いの優しく繊細な人物。都を脅かす怨霊に真っ先に狙われ、現在は病床に伏せっている。皇に代々伝わる伝説の「明玉を持つ天女」が皇を救いに来る日を待ち望んでいる。 賀美野皇子 実在の人物、後の嵯峨天皇。史実の名前は神野、あるいは賀美能(読みはいずれも「かみの」)。 苑上の同母弟で、次代の皇太子の最有力候補。外で遊ぶより本を読むのが好きで、歳の割りに頭が良くませた、少女のように愛らしい少年。母に死なれてからは、母の代わりに苑上に甘えている。 後に苑上を通じて阿高や藤太たちと知り合い、彼らと行動を共にするようになってからは、すっかり男の子らしくなった。また苑上が阿高に惹かれていることに気づき、幼いながら二人の仲を取り持とうとする。 今上帝 実在の人物、桓武天皇。 苑上たち兄妹の父。優美さより猛々しさを好む、鷹のような人物。皇に代々伝わる伝説の「明玉を持つ天女」を求めて、天女が流れ着いたとされる蝦夷の地へ軍を派遣する。皇の血筋に受け継がれる呪いを癒すため、救いの乙女である蝦夷の巫女チキサニを求めていた。しかし自らは動かずチキサニを力ずくで奪おうとしたため、チキサニや蝦夷たちの反発を招き、怨霊や「乙女ではない明玉の主」を生み出す一因となる。チキサニが死んだ後も救いを求め、田村麻呂に明玉の主の探索を命じるが、その後明玉が災厄をもたらすとされたため、仲成に災厄を阻止する任務を与える。 藤原仲成/藤原薬子 実在の人物。史実では薬子の変の原因として知られる兄妹だが、本作では薬子が男装して「仲成」を名乗っていると言う設定。 男装の麗人で、現在の都を造営した「造宮の大殿(ぞうぐうのおとど)」の娘。氷のような美女で、ある誓いを果たすべく武官となり、怨霊退治をしている。「皇を脅かすもの」を強く敵視しており、阿高を「皇を滅ぼす災い」として執拗に殺そうとし、田村麻呂と対立する。怨霊のために貶められた父の名誉を回復し、また怨霊を排し安殿皇子の帝位を安泰とするためならば、苑上を犠牲にすることも厭わない冷徹さを持ち合わせる。 佐伯/無空 実在の人物、後の空海。弘法大師として知られる人物で、史実では後に唐へ渡り密教を学んだ。 元々は奈良の大学の学生だったが、大学での勉学では物足りず、頭を丸めて出家する。怨霊に襲われながら生き延びた数少ない人物で、その経験を見込まれ仲成に仕えるようになる。都を襲う怪異から逃れる、能力とも運とも言える不思議な何かを持っており、仲成から鈴鹿丸の供を命じられる。掴み所のない飄々とした人物で、似たような性格の茂里と気が合う。 堂主 作中に具体的な名前は出てこないが、その経歴から実在の人物で空海と同時代の僧侶最澄と思われる。 奈良の寺院で学んだ僧侶で、受戒した後、更なる悟りを求めて山林に堂を開いた。怨霊と「皇を滅ぼす力」を敵視する一派に襲われ孤立した阿高、藤太、苑上の3人を堂へ迎え入れる。まだ30歳前後と年若いが、阿高が「人ならざる力」を持つことを見抜き、また怨霊を生み出した「皇の宿命と因縁」を苑上に語る。
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