公務災害
公務を行っている時に生じた、あるいは公務と大きな関連がある要因によって生じた災害。一般的に公務災害として認定されるには公務遂行性と公務起因性という2つの要件が必要とされている。公務災害は国家公務員災害補償法や地方公務員災害補償法などで補償される。
福島地方裁判所で行われた強盗殺人事件裁判の裁判員だった60代女性がストレス性障害と診断された問題で、女性は国に賠償を求めるとともに、裁判員制度が憲法違反であると主張した。2013年5月8日現在、裁判員経験者が精神疾患を発症したことで、公務災害と認定された事例はないが、裁判員の精神的負担に対するサポート体制の強化が議論されている。
関連サイト:
死刑判決言い渡しの裁判員がストレス障害 「脳裏に殺害現場写真」 地裁郡山支部 - MSN産経ニュース
公務災害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/23 04:44 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動公務災害(こうむさいがい)とは、公務員が公務遂行中に労働災害に遭遇すること。公務災害による損害は国家公務員災害補償法及び地方公務員災害補償法によって補償される。
概要
公務員は国や地方公共団体と私法上の関係(労働契約)が存在する一方で、公法上の関係も存在しており、公務員の公務上の災害は労働者と事業主という私法上のみの関係で発生する労働災害とは異なるため、労働者災害補償保険で補償を行うことは適切ではない。公務災害では上記の2つの法律に基づき、労働者災害補償保険法による一般の労働災害と同様の補償を定めている。
国家公務員の場合は、非常勤であっても一般職の国家公務員であれば、国家公務員災害補償法で補償される。国家公務員の特別職の職員も各法律により国家公務員災害補償法が準用又は一般職の職員の例により補償されている。独立行政法人の職員については、行政執行法人の職員は国家公務員であるから国家公務員災害補償法で補償されるが、その他の独立行政法人の職員は非国家公務員であるので労働者災害補償保険で補償される。
地方公務員は、常勤の場合は、地方公務員災害補償法第3章により補償されているが、非常勤の場合は、労働者災害補償保険の適用を受けない場合は、第67条の規定に基づき、各地方公共団体の条例で補償制度が定められることになっている。地方独立行政法人の職員も、常勤の場合は地方公務員災害補償法第3章の規定により、補償がされる。
運用
国家公務員
国家公務員の場合は、各省庁毎に取扱規定が詳細に定められている。
公務災害認定通知に不服がある場合は、一般職の国家公務員は人事院規則に従い、人事院へ審査を申し立てることができる。特別職の国家公務員についても、これに準じた不服申立措置が可能である。
地方公務員
地方公務員の場合は、地方公務員災害補償法第3条により設置される地方公務員災害補償基金が補償を行い、実際の事務は同法第4条で設置される、各都道府県並びに政令指定都市の地方公務員災害補償基金支部が処理する。
決定に不服がある場合は、地方公務員災害補償基金支部審査会に審査請求が、さらに不服がある場合は、地方公務員災害補償基金審査会に再審査請求ができる。
問題点
公務災害の認定から、事案の処理が完結するまで、一般にかなりの時間・日数を要することが指摘されている[要出典]。
外部リンク
公務災害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:37 UTC 版)
「学校における働き方改革」の記事における「公務災害」の解説
「平成30年版過労死等防止対策白書」によると、公務災害認定事案の脳・心臓疾患の支給決定(認定)要因は多くが「長期間の過重業務」であり、長時間労働の要因は中・高では部活動に関連するもの、小学校では役職や委員会に関するものが多い。精神障害事案では長時間労働のほか、上司トラブル等の対人トラブルに関するものが多く、教員の公務災害認定事案では、保護者対応等住民等との公務上での関係に関するものが多いと分析されている。2020年8月には「#先生死ぬかも」というハッシュタグがTwitterでトレンド入りしたが、教育研究家の妹尾昌俊は「死ぬかも」ではなく毎年のように教員が実際に過労死等で死亡している事実を指摘している。 これら教員のうつ病自殺と公務災害認定については、長時間労働の上、指導困難な子供と対応困難な保護者に対峙し、教員に対する支援体制の不十分が相まってうつ病の発症に追い込まれる現状が現職教諭によって分析されている。特に背景として保護者の教員に対する意識変化について、保護者の立場が、子どもとともに先生(師)から教えを受ける立場から、教育サービスを利用する「顧客」へと変化したことが背景として挙げられ、また教員同士のつながりが希薄になり支え合いが行われなくなったことを指摘している。部活動については内田良によると「無料の保育所状態」を期待され、週末も学校現場から離れられない実情がある。
※この「公務災害」の解説は、「学校における働き方改革」の解説の一部です。
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