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正十二面体

(regular dodecahedron から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/14 22:11 UTC 版)

正十二面体

種別 正多面体十二面体
面形状 12枚の正五角形
辺数 30
頂点数 20
頂点形状 53
シュレーフリ記号 {5, 3}
ワイソフ記号 3 | 2 5
対称群 Ih
双対多面体 正二十面体
特性 凸集合

展開図の例
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正十二面体投影図(辺心図)

正十二面体(せいじゅうにめんたい、: regular dodecahedron)は正多面体の1つ。空間正五角形12枚で囲んだ凸多面体

性質

計量

面の面積
正十二面体と内接する立方体
正十二面体と外接する立方体の直投影図
  • 正十二面体を内接立方体から構成する方法がユークリッドの『原論』第13巻に記されている。一松信はこれを「立方体に屋根をかける」方法と呼んでいる。[1]
  • これとは逆に、正十二面体を外接立方体から立方体の12の稜を一様に切稜して作る方法が、『多面体木工(増補版)』(佐藤郁郎・中川宏)によって示された。[2]それは、正十二面体の投影図(辺心図)が、直交する3方向に現れることに基づいている。投影図は100ミリの立方体から切り取る部分の寸法を示しているが、これは黄金比にあたる。切り取る三角形の赤丸の角度が切稜の角度になる。約31.7度である。

立方体から正十二面体を作る様子

発泡スチロールカッターを使って立方体から正十二面体を作る様子を示す。


X軸まわりの切稜

Y軸まわりの切稜

Z軸まわりの切稜

立方体切稜による正十二面体の完成

正十二面体の証明

原論』第13巻の定理17の図

ユークリッド原論』第13巻の定理17においては、立方体の一辺を対角線の一つとする五角形のひさしをかけることによって、この五角形が等辺にして一平面上にありかつ等角であることが証明されている[3]

正十二面体をつくり,先の図形のように球によってかこみ,そして正十二面体の辺が余線分とよばれる無理線分であることを証明すること。 — 『ユークリッド原論』第13巻の定理17[4]

図に示したように、『ユークリッド原論』第13巻の定理17の説明[3]にあるギリシア文字ラテン文字に変更して述べると以下のようになる。

 先に述べた立方体の互いに垂直な二つの面 ABCD、CBEF が定められ、辺 AB,BC,CD,DA,EF,EB,FC のおのおのが G,H,K,L,M,N,O において2等分され,GK HL,MH,NO が結ばれ,NP,PG,HQ のおのおのが点 R,S,T において外中比に分けられ,RP,PS,TQ がそれらの大きい部分とされ,点 R,S,T から立方体の面に垂直に立方体の外側の方向に RU,SV,TW が立てられ,RP,PS,TQ に等しくされ,UB,BW,WC,CV,VU が結ばれたとせよ。五角形 EBWCV は等辺にして一平面上にありかつ等角であると主張する。 — 『ユークリッド原論』第13巻の定理17[5]

星型 


小星型十二面体
B

大十二面体
C

大星型十二面体
D

この図形をに持つ立体


大星型十二面体

小二重三角二十・十二面体

大二重三角二十・十二面体

二重三角十二・十二面体

5個の立方体による複合多面体

5個の正四面体による複合多面体

10個の正四面体による複合多面体

派生的な立体


切頂十二面体
t{5, 3}

二十・十二面体
r{5, 3}

変形十二面体
sr{5, 3}

五方十二面体

正十二面体と正二十面体による複合多面体

側錐十二面体

双側錐十二面体

二側錐十二面体

三側錐十二面体

古代の遺物に見られる正十二面体

長野県畦地一号墳出土銀製垂飾付耳飾り

おそらく日本最古と思われる正十二面体構造を持つ人工物は、5~6世紀ごろの古墳の副葬品の耳飾りに見出すことができる。同じ大きさの銀製や金銅製の環12個を均等に配置した中空の籠形で、垂らすタイプの耳飾りの中間に用いられた。これまでに、群馬県の梁瀬二子塚古墳、千葉県の祇園大塚山古墳、長野県の畦地一号墳、和歌山県の大谷古墳、奈良県の新沢千塚から出土した遺物に確認されている。全く同じではないが似たような構造を持つ耳飾りは朝鮮半島の遺物でも確認されている。[6]

関連項目

正十二面体サイコロ

脚注

  1. ^ 正多面体を解く. 東海大学出版会. (2002/5/20) 
  2. ^ 多面体木工. 特定非営利活動法人 科学協力学際センター. (2006/8/1) 
  3. ^ a b ハイベア & メンゲ (1971, pp. 429–432).
  4. ^ ハイベア & メンゲ (1971, p. 429).
  5. ^ ハイベア & メンゲ (1971, pp. 429f.).
  6. ^ 高田貫太『アクセサリーの考古学』吉川弘文館、2021年5月1日。 

参考文献

外部リンク




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