正十二面体投影図(辺心図)
正十二面体 (せいじゅうにめんたい、英 : regular dodeca hedron )は正多面体 の1つ。空間 を正五角形 12枚で囲んだ凸多面体 。
性質
計量
面の面積
A
=
1
4
25
+
10
5
a
2
{\displaystyle A={1 \over 4}{\sqrt {25+10{\sqrt {5}}}}\,a^{2}}
正十二面体と内接する立方体
正十二面体と外接する立方体の直投影図
正十二面体を内接立方体 から構成する方法がユークリッドの『原論』第13巻に記されている。一松信はこれを「立方体に屋根をかける」方法と呼んでいる。[ 1]
これとは逆に、正十二面体を外接立方体 から立方体の12の稜を一様に切稜 して作る方法が、『多面体木工(増補版)』(佐藤郁郎・中川宏)によって示された。[ 2] それは、正十二面体の投影図(辺心図)が、直交する3方向に現れることに基づいている。投影図は100ミリの立方体から切り取る部分の寸法を示しているが、これは黄金比 にあたる。切り取る三角形の赤丸の角度が切稜 の角度になる。約31.7度である。
立方体から正十二面体を作る様子
発泡スチロールカッターを使って立方体から正十二面体を作る様子を示す。
X軸まわりの切稜
Y軸まわりの切稜
Z軸まわりの切稜
立方体切稜による正十二面体の完成
正十二面体の証明
『原論 』第13巻の定理17の図
『ユークリッド原論 』第13巻の定理17においては、立方体の一辺を対角線の一つとする五角形のひさしをかけることによって、この五角形が等辺にして一平面上にありかつ等角であることが証明されている[ 3] 。
正十二面体をつくり,先の図形のように球によってかこみ,そして正十二面体の辺が余線分とよばれる
無理線分 であることを証明すること。
— 『ユークリッド原論』第13巻の定理17[ 4]
図に示したように、『ユークリッド原論』第13巻の定理17の説明[ 3] にあるギリシア文字 をラテン文字 に変更して述べると以下のようになる。
先に述べた立方体の互いに垂直な二つの面 ABCD、CBEF が定められ、辺 AB,BC,CD,DA,EF,EB,FC のおのおのが G,H,K,L,M,N,O において2等分され,GK HL,MH,NO が結ばれ,NP,PG,HQ のおのおのが点 R,S,T において
外中比 に分けられ,RP,PS,TQ がそれらの大きい部分とされ,点 R,S,T から立方体の面に垂直に立方体の外側の方向に RU,SV,TW が立てられ,RP,PS,TQ に等しくされ,UB,BW,WC,CV,VU が結ばれたとせよ。五角形 EBWCV は等辺にして一平面上にありかつ等角であると主張する。
— 『ユークリッド原論』第13巻の定理17[ 5]
星型
派生的な立体
側錐十二面体
双側錐十二面体
二側錐十二面体
三側錐十二面体
古代の遺物に見られる正十二面体
長野県畦地一号墳出土銀製垂飾付耳飾り
おそらく日本最古と思われる正十二面体構造を持つ人工物は、5~6世紀ごろの古墳 の副葬品の耳飾りに見出すことができる。同じ大きさの銀製や金銅製の環12個を均等に配置した中空の籠形で、垂らすタイプの耳飾りの中間に用いられた。これまでに、群馬県の梁瀬二子塚古墳、千葉県の祇園大塚山古墳 、長野県の畦地一号墳、和歌山県の大谷古墳 、奈良県の新沢千塚から出土した遺物に確認されている。全く同じではないが似たような構造を持つ耳飾りは朝鮮半島の遺物でも確認されている。[ 6]
関連項目
正十二面体サイコロ
脚注
参考文献
出典は列挙するだけでなく、脚注 などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2018年6月 )
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
十二面体 に関連するカテゴリがあります。
regular dodecahedronのページへのリンク
「regular dodecahedron」の関連用語
regular dodecahedronのお隣キーワード
regular dodecahedronのページの著作権
Weblio 辞書
情報提供元は
参加元一覧
にて確認できます。
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License . この記事は、ウィキペディアの正十二面体 (改訂履歴) の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Weblio辞書 に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。