Zマシンの誕生と初期の運用 1996年~2006年とは? わかりやすく解説

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Zマシンの誕生と初期の運用 1996年~2006年

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 08:30 UTC 版)

Zマシン」の記事における「Zマシンの誕生と初期の運用 1996年~2006年」の解説

ロシアとの共同研究の成果として、1995年Saturnタングステン製ワイヤーアレイを用いたZピンチにより、X線ピーク出力40テラワットまで高めるに至った(この成果は現在では「1995年ブレークスルー」と呼ばれている)。一方、 PBFA II によるイオンビーム融合研究数年渡って停滞していた。Saturn成果受けて1996年には Saturn基本構造は同じである PBFA II若干改造施した、PBFA-Z と呼ばれる暫定的な実験装置でのZピンチ実験実施され予想上の成果得られた。 PBFA-Z による成功インパクトは非常に強く1997年にサンディア研究所イオンビーム融合研究放棄し以降Zピンチ技術用いた慣性閉じ込め方式核融合研究専念することを決定しこれに伴い PBFA IIZマシン改名された(Zマシン誕生)。この当たりのことは、やはり Yonas (この時点ではサンディア研究所副所長)が1998年8月発行サイエンティフィック・アメリカン誌に、"Fusion and the Z-Pinch"(日本語版「急浮上するZピンチ核融合」、日経サイエンス 1998年11月号)として成果紹介しZピンチによるアプローチ公衆目に触れることとなった。 この時点Zマシンピーク電流18メガアンペア、パルス幅は100ナノ秒以下に達しており、Zピンチ実験装置としてもX線発生装置としても世界で比肩するものがない性能持っていた。 1999年にサンディア研究所は、チタン製のネスティッドワイヤーアレイを用いた実験開始した。 これはワイヤーアレイの内側にさらに小さなワイヤーアレイを置く構成であり、爆縮安定性の向上に効果があった。 1998年に、ローレンスリバモア研究所国立点火施設大型レーザー発生器 Beamlet を解体してサンディア研究所移譲し、サンディア研究所はこれによって発生させた強力なX線により、Zピンチによるペレット爆縮現象ストロボ撮影を行うこととなった。この装置は Z-Beamlet と呼ばれることになり、これを用いた最初Zピンチ実験2001年の夏に行われた2003年4月7日、サンディア研究所は、3月行われたZピンチ実験において中性子発生観測し遂に核融合到達した発表した使用したペレット直径2mmの球形で、透明なプラスチック製シェル中に重水素のみを封入したものであり、これをホーラム( foam cylinder表現されているが詳細不明)の中に入れて、ZピンチによるX線爆縮を起こさせた。観測され中性子の数は約100億個であった2006年初頭、サンディア研究所Zマシン20ケルビン(20°C)を超える高温プラズマ生成成功した発表した。これは恒星内部温度より高い。このとき用いられたワイヤーアレイは通常使われるタングステンではなくスチール製で、直径55mmと80mmのネスト構造のものであった。この実験では妙なことが起こった衝突直前までにワイヤー(=線状プラズマ)が獲得したエネルギー総量よりも、放出されX線全エネルギーの方が4倍も大きかったのである。この実験では燃料ペレット用いていないので、外観的にはエネルギー保存則破れているように見える。 この余分なエネルギーがどこから来たのかについては、Zマシンのパルスエネルギーの大きな部分プラズマ近く空間磁気エネルギーとして蓄えられることから、プラズマ衝突によって発生する小さなスケールプラズマ乱流磁場電磁流体力学的な相互作用起こし粘性によって磁気エネルギー一部がスタグネーションの熱エネルギー転換されるという説が発表されている。その後の検証がどうのように進展したかは不明である。

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