Zマシンの改造とそれ以降 2006年~
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「Zマシン」の記事における「Zマシンの改造とそれ以降 2006年~」の解説
核融合研究の他のアプローチが皆停滞している中、Zピンチによるアプローチは国家的な注目を集め、研究予算は大幅に増加されることとなった。2002年に議会は、ZR (Z refurbishment)プロジェクトと呼ばれるZマシン改造計画のための1000万ドルの予算を認めた。2004年、DOE傘下のNNSAはZRプロジェクトに5000万ドルの予算を上積みした。ただし、これはZマシンの軍事研究における利用を最優先に考えたものであった。サンディア研究所は他のプロジェクトからさらに3000万ドルを捻出してZRプロジェクトに割り当て、ZRプロジェクトの総予算額は約9000万ドルとなった。改造は2006年7月から2007年10月にかけて行われ、パルス発生モジュールは最新の技術を用いた新規設計のものに完全に取り換えられた。改造後のZマシン (改造前のものと区別する必要がある場合にはZRと呼ばれる)は、ピーク電流が改造前の18メガアンペアから26メガアンペアに約45%増大している。この他に、パルス同期の正確さ、一定期間内に可能な実験回数などの面で改良されている。 前述のように、2010年11月からは、NNSAが所管する備蓄性能維持計画のために、臨界前核実験を補完する、少量のプルトニウムを用いる試験を行っている。これらの試験に関する説明は「Zマシンの強力なX線により、核兵器の内部と同程度の高温、高圧を再現し、その環境下でのプルトニウムの物性を試験することにより、地下核実験を行わずに備蓄核兵器の有効性を検証できる。」という旨のニュースリリースを出している。
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