SGLIとは? わかりやすく解説

SGLI

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 05:11 UTC 版)

地球環境変動観測ミッション」の記事における「SGLI」の解説

波長光学放射計(SGLI, Second-generation Global Imager)は, みどりII搭載されGLI (Global Imager)の後継センサである。みどりII機械走査GLIセンサ大型化複雑化しすぎた反省から、2系統簡素な観測装置分割し、かつ、観測対象チャンネル絞り込むことによって、信頼性とサバイバビリティの向上を図っている。 SGLIは, GLI比べ, 地表面分解能が高いこと(1 km250 m), 陸上エアロゾル等を観測するための偏光多方観測機能を持つこと等の改善行っている。一方, SGLIで観測出来チャンネル数19と、GLI36チャンネルから大幅に減少している。これはGCOM求められている観測必要なもの絞り込んでいるためである。 SGLIは「可視・近赤外放射計部」(VNR: Visible and Near Infrared Radiometer) と「赤外走査放射計部」(IRS: InfraRed Scanning radiometer)の2つ放射計から構成される前者のSGLI-VNRはもも1号のMESSR、ふよう1号のOPS/VNIR、みどりのAVNIR、だいちのAVNIR-2センサ技術継承している。 SGLI-VNRは, 直下方向観測する偏光観測センサNPサブユニット; 11チャンネル)と、+45°方向~-45°方向範囲切り替え多方観測ができる偏光観測センサPLサブユニット; 2チャンネル)から構成されている。検出器にはCCD用いており、機械走査不要な電子走査方式(プッシュブルーム方式)の放射計である。非偏光観測センサNP)は観測方向異な3 本鏡筒構成され, それぞれ画角24°で, あわせて合計70°(約1,150 km)の走査幅をもつ。陸域沿岸では250 mの分解能外洋域では1 km分解能観測する偏光観測センサPL)は、673.5 nm 用と868.5 nm 用の2 本の鏡筒用いて、0°, +60°, -60°の3つの方向偏光面について偏光観測を行う。また、衛星進行方向に対して前後45°範囲内任意の角度設定可能なチルト機構実装されている。約1,150km の幅を1 km分解能観測する。 SGLI-IRSは、地上から受けた光を短波赤外(SWIR:1.05µm~2.21µm4 チャンネル)と熱赤外TIR10.8µm、12.0µm2 チャンネル)に分光し、各々検出器導入するIRS走査方式は、走査鏡による機械走査方式(ウイスクブルーム方式)である。0.74 秒間1 回地表面走査し1 回走査観測80°(約1,400km)を観測する観測幅はSGLI-VNRで1,150 km、SGLI-IRSで1,400 kmであり、日本付近緯度 35度)において2 日1回観測が可能である。全チャンネル機械走査であったGLIセンサの1,600 kmから後退しているものの、分解能250 mの高分解能観測できるチャンネル帯は増えている。SGLI-VNRに新たに追加され偏光観測機能により, エアロゾル粒子の大きさ判別できるため、エアロゾル発生源推測可能になる。 SGLI 観測チャンネル機器チャンネル中心波長バンド幅飽和輝度分解能観測対象SGLI-VNR非偏光観測VN1379.9 nm 10.6 nm 240 ~ 241 W/(m2 sr um) 250 m 陸上エアロゾル大気補正海色雪氷 VN2412.3 nm 10.3 nm 305~318 W/(m2 sr um) 植生陸上エアロゾル大気補正海上エアロゾル光合成有効放射量・雪氷 VN3443.3 nm 10.1 nm 457 ~ 467 W/(m2 sr um) 植生海上エアロゾル大気補正光合成有効放射量・海色雪氷 VN4490.0 nm 10.3 nm 147 ~ 150 W/(m2 sr um) 海色クロロフィル濃度懸濁物質濃度) VN5529.7 nm 19.1 nm 361 ~ 364 W/(m2 sr um) 光合成有効放射量・海色クロロフィル濃度) VN6566.1 nm 19.8 nm 95 ~ 96 W/(m2 sr um) 海色クロロフィル濃度懸濁物質濃度有色溶存有機物) VN7672.3 nm 22 nm 69 ~ 70 W/(m2 sr um) 植生陸上エアロゾル大気補正海色 VN8672.4 nm 21.9 nm 213 ~ 217 W/(m2 sr um) VN9763.1 nm 11.4 nm 351 ~ 359 W/(m2 sr um) 1000 m 水雲幾何学的厚さ VN10867.1 nm 20.9 nm 37 ~ 38 W/(m2 sr um) 250 m 植生陸上エアロゾル大気補正海色雪氷 VN11867.4 nm 20.8 nm 305 ~ 306 W/(m2 sr um) 偏光観測P1672.2 nm 20.6 nm 295, 315, 293 W/(m2 sr um) 1000 m 植生陸上エアロゾル大気補正海色 P2866.3 nm 20.3 nm 396, 424, 400 W/(m2 sr um) 植生陸上エアロゾル大気補正海色雪氷 SGLI-IRS近赤外(SWIR)SW11050 nm 21.1 nm 289.2 W/(m2 sr um) 1000 m 水雲光学的厚さ粒径 SW21390 nm 20.1 nm 118.9 W/(m2 sr um) 雪氷面上検知 SW31630 nm 195 nm 50.6 W/(m2 sr um) 250 m SW42210 nm 50.4 nm 21.7 W/(m2 sr um) 1000 m 水雲光学的厚さ粒径赤外(TIR)T110.785 µm 0.756 µm 340 W/(m2 sr um) 250 m 地表海面雪氷温度火災検知植生水ストレス等 T211.975 µm 0.759 µm 340 W/(m2 sr um)

※この「SGLI」の解説は、「地球環境変動観測ミッション」の解説の一部です。
「SGLI」を含む「地球環境変動観測ミッション」の記事については、「地球環境変動観測ミッション」の概要を参照ください。

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