MP3音源の活用と楽曲配信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 10:53 UTC 版)
「平沢進」の記事における「MP3音源の活用と楽曲配信」の解説
パソコン黎明期から音源のMP3に対して関心を持ち、1999年にソロ10周年・P-MODEL20周年記念として行われたプロジェクト『音楽産業廃棄物 P-MODEL OR DIE』において、P-MODELメンバーがMP3を用いて各自宅のみで楽曲を制作。インターネット上で公開ミックスダウンも行われた。MP3でファンがP-MODEL楽曲をリミックスするイベントも開催された。楽曲配信の弊害となる為、日本コロムビアとの専属契約を解除し、日経BPの協力によりP-MODELの音楽配信サイト『P-PLANT』を開設。 アルバム『音楽産業廃棄物』や『VIRTUAL LIVE』シリーズが配信された。オンライン販売にはビットキャッシュの電子決算システム“BitCash”が利用された。このMP3による楽曲配信は、メジャーレーベルで活躍してきた日本のプロアーティストとして初めてとなった。 1999年10月の北海道新聞夕刊の取材では、「MP3配信に取り組むミュージシャンはまだほとんどいない。トラブルも今後出るだろう。そんな問題をあぶりだす役を負ってでも、将来の若手の為にもこのやり方の良さを示していきたい。」と答えた。 その後、MP3ファイルについては公式ウェブサイト内において未CD化曲の販売を行っており、また、ニューアルバムをリリースする度に収録曲の中から一曲またはアウトテイク数曲を無料配信している。2011年3月にはフリージャーナリスト・市民メディア向けに楽曲を無料配信を行った。同年6月24日にはパレード・パンクの期間労働者・ステルスマンなる人物にオフィシャルサイトを占拠され、楽曲「原子力」(P-MODELの「BOAT」を編曲・歌詞を改変したもの)を無料配信させられる。後に平沢はステルスマンから奪ったカラオケ音源をオフィシャルサイトで無料配信した。 MP3をインターネットそのもの含めて「表現者としてリスナーとコミュニケーションを取る新しい枠組み」と評価している。サブスクリプションサービスにおいては「然るべき努力を積み重ねてきた人たちが作った楽曲と、『できちゃったからアップしてみた』みたいな人の楽曲が、同じ土俵に上がっているのは問題といえば問題」としているが、「たとえばリスナーとしての自分は、曲単位で聴いても本当に「いい」と思えばアーティスト名も経歴も調べる。曲の良し悪しを超えて、そのアーティストのことをもっと知りたいと思うし、アルバムで聴きたくなる。つまり、アルバムは必然なんですよ。きっと、ファストフードのように消費される音楽がある一方で、手の込んだ料理を味わい尽くすように楽しむ音楽も存在する。そこはなくならないんじゃないかと思いますけどね。」と語っている。 公式サイト上の『平沢進・公式無料ダウンロード』では、「白虎野の娘」や「Big Brother」等といった、ソロや核P-MODELのアルバム等から一部楽曲が無料MP3ダウンロード可能となっている。
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