MP4-19とは? わかりやすく解説

マクラーレン・MP4-19

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/17 06:41 UTC 版)

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マクラーレン MP4-19
マクラーレン MP4-19B
カテゴリー F1
コンストラクター マクラーレン
デザイナー エイドリアン・ニューウェイ(テクニカルディレクター)
マイク・コフラン(チーフデザイナー)
先代 マクラーレン・MP4-18
後継 マクラーレン・MP4-20
主要諸元
エンジン メルセデスFO110Q
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム ウエスト マクラーレン メルセデス
ドライバー デビッド・クルサード
キミ・ライコネン
出走時期 2004年
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズタイトル 0
表彰台(3位以内)回数 4
通算獲得ポイント 69
初戦 2004年オーストラリアGP
初勝利 2004年ベルギーGP
最終戦 2004年ブラジルGP
備考 第13戦イギリスGP以降はMP4-19Bを使用。
出走
回数
優勝
回数
ポール
ポジション
ファステスト
ラップ
18 1 1 1
テンプレートを表示

マクラーレンMP4-19 (McLaren MP4-19) はマクラーレン2004年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カーテクニカル・ディレクターエイドリアン・ニューウェイ、デザイナーはマイク・コフラン2004年の開幕戦から実戦投入され、第11戦イギリスGPから最終戦まではMP4-19Bが使用された。

MP4-19

2003年用のマシンとして開発したがお蔵入りになってしまったMP4-18を彷彿とさせるデザイン。MP4-18のモノコックを流用してくみ上げられたとの話もある。

MP4-17Dとはまったく違った細くとがったノーズが目立つ。フロントウイングは上下に大きく湾曲した3枚タイプとなっている。ブレーキのマスターシリンダーが通常はモノコックの先端に配置されるが、マシンデザインの関係上、MP4-19ではコクピットサイドのサイドポンツーン前方寄り(写真のシーメンスのロゴ付近)に配置されていた[1]

トラブルの連続

マクラーレンは「タイトル争いで勝つために革新的なマシンを開発した」と豪語したが、その革新さが裏目に出た格好となり、トラブルが続出した。当初、モノコックがドライバーにとって窮屈であったため、モノコック自体を改良すると今度は想定したマシンバランスに支障をきたしてしまった[2]。しかもメルセデス・ベンツの1GP1エンジンのルール対応が遅れ、完走さえままならなかった。このような状態ではまともな成績は期待できない有様だった。

2004年アメリカGPでのMP4-19

キミ・ライコネンは開幕3戦をすべてマシントラブルによるリタイヤで終えた。とくにエンジン関連がひどく、第3戦バーレーンGPでは後方から大きな炎を吹き出しながらリタイヤした。チーム全体で第7戦まででの14回の出走で入賞3回リタイヤ8回と大不振だった。このような状態ではタイトル争いも早々にあきらめなければならず、ライコネンはバーレーンGP時点でタイトル争いを諦めたと述べている[2]

信頼性の改善

第8戦カナダGP第9戦アメリカGPでは両レースともダブル入賞で終えるなど、マシンの信頼性にもようやく改善が見られてきた。その勢いは第10戦フランスGPに突入しても衰えることなく、ここでもダブル入賞を果たした。ただし、表彰台にはこの時点では1度も登ることはできていなかった(第10戦終了時点で決勝最高位は、クルサード・6位3回、ライコネン・5位1回だった)。第11戦イギリスGPから大幅に改良されたMP4-19Bが投入されたが、シャーシ製造数の関係でスペアカーには従来のMP4-19が持ち込まれた。

MP4-19B

ヘレス・サーキットでのテスト。太いノーズを装着している
2004年イタリアGPでのMP4-19B。先端が太いノーズを使用

モノコックから設計しなおしたマシン。フロント周りはMP4-19を踏襲しているが、リヤ周りにフェラーリ F2004の影響を受けている。サイドポンツーンのアンダーカットが取り入れられているほか、インダクションポッド後方のエンジンカバーが大型化され、後方に延長されている。ウイングレットもエレメントが1枚から2枚に変更された。この変更でサイドポンツーン内の冷却が厳しくなったため、排熱口が拡大されている。

翌年のMP4-20に似た太目のノーズも何度かテストされていたが、ローダウンフォースコース以外でウイングを立てた状態ではラジエターの冷却不足になる恐れがあったため、2004年シーズンで一番の高速サーキットであるモンツァサーキットでおこなわれた第15戦イタリアGPでのみ採用された[3]

躍進

MP4-19Bの初戦であるイギリスGPでライコネンがポールポジションを獲得。決勝もミハエル・シューマッハにかわされるも2位表彰台を獲得した。その後は2戦リタイヤを喫するも、第14戦ベルギーGPでついに優勝。その後表彰台を2台獲得したが、前半戦の不調や、後半戦での何度かのリタイヤが響きランキング7位に終わった。

デビッド・クルサードはコンスタントに入賞を重ねるも表彰台に登ることも無く、ランキング10位でシーズンを終えた。このシーズン限りでマクラーレンを去るベテランはマクラーレン歴代ドライバーのなかで最長となる150戦もの間所属していた。最終戦でフォトセッションが行われたが、決勝レースは11位完走と入賞でマクラーレンでのシーズンを締めくくることができなかった。

スペック

シャーシ

エンジン

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ポイント ランキング
AUS
MAL
BHR
SMR
ESP
MON
EUR
CAN
USA
FRA
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
CHN
JPN
BRA
2004 5 クルサード 8 6 Ret 12 10 Ret Ret 6 7 6 7 4 9 7 6 9 Ret 11 69 5位
6 ライコネン Ret Ret Ret 8 11 Ret Ret 5 6 7 2 Ret Ret 1 Ret 3 6 2

脚注

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  1. ^ 『F1速報2004年バーレーンGP号』 ニューズ出版2004年、p.17。
  2. ^ a b 『F1速報2004年バーレーンGP号』 ニューズ出版2004年、p.53。
  3. ^ 『F1速報2004年イタリアGP号』 ニューズ出版2004年、pp.16 - 17。

MP4-19

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マクラーレン・MP4-19」の記事における「MP4-19」の解説

2003年用のマシンとして開発したお蔵入りになってしまったMP4-18を彷彿とさせるデザイン。MP4-18のモノコック流用してくみ上げられたとの話もある。 MP4-17Dとはまった違った細くとがったノーズが目立つ。フロントウイング上下大きく湾曲した3枚タイプとなっている。ブレーキマスターシリンダー通常モノコック先端配置されるが、マシンデザインの関係上、MP4-19ではコクピットサイドのサイドポンツーン前方寄り写真シーメンスロゴ付近)に配置されていた。

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